ハイランドにも晴れ間 その6

翌日はとうとう運も尽きて、雨。

まずはストーカー城を丘の上から眺める。

湖の中に浮かんだ小島に建っている城で、悪天候の中、なにやら凄みがあった。

血なまぐさい歴史が詰まっているんだろうと勝手に想像する。

ちなみに湖はLoch Laich という名前だったらしい。

この日のハイライトはしかし、Glen Coeだろう。

その雄大さがこの写真では十分に表されていないが仕方がない。

スゴイのは美しい景色だけではない。

ここが背負う歴史こそ血なまぐさい。

ガイドのマイケルが詳細に話してくれたんだが、かいつまむと、17世紀の終わり、この地方のクラン(氏族)のマクドナルド一族は、イングランドの王ウイリアムへの忠誠を誓う書類を提出するのが遅れたが、地方の役場みたいなところへひとまず提出したので、これで一安心、と思い込んでいた。

そこへ長年敵対しているクラン、キャンベル一族の軍隊がこの辺りに駐屯する。

ハイランドのしきたりにのっとって、一般市民は兵隊達をねぎらい、二週間に渡って歓待した。

兵隊たち自身もなぜそこに駐屯させられているのか知らなかったという。

そんな中、先の書類提出の遅れを理由に、マクドナルド一族を皆殺しにせよという命令がキャンベル軍隊に届き、ある朝、マクドナルド一族は寝首をかかれたんだそうだ。

いやな話だ。

それで300年以上を経た今でも、グレン・コーが話題に上ると、スコットランドの人々は「あそこではヒドイことがあったよねー」と話すのだそうだ。

そして、付近のパブでは「キャンベルさんはお断り」と張り紙が出ているとか。

この日は移動の日で、目的地はIsle of Skye のポルトリー。

途中、フォート・ウイリアムズでハギスのランチを食べたり、アイリーン・ドナン城を見たりしながら北上し、スカイ島に渡る。

ポルトリーに来たのは二度目。

最初のときに泊まったピンク色のB&Bが斜め向かいに見える湾に面したRosedale Hotel が今回の宿。

部屋は小さいが立派な4柱付きベッドがあり、小さいが趣のある窓から湾が見えるのも良い。

その晩は湾に面していて、予約を受け付けないレストランに開いたとたんに入ったのだったが、レストランの名前がどうしても思い出せない。

カラマリとすずきと、オートの入ったしっかりしたデザートを食べたのだった。

ツアー仲間の米国人の老カップルと同席。

学会を言い訳に、二年に一度、大きな旅行をしているという話だった。

男性のほうは、何と革命前、1957年にキューバに行った事のある歴史的な(?)人だった。

このツアー、面々がみな善良な人々で、全くイヤな思いをしないでいられて大変、よろしい。

これだけ人が集まると、たいていは一人や二人、偏屈なのがいて困るものだが。

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