チェスの町、マロースティカ

チェスの町、マロースティカ

【2016年6月】イタリア北部のヴェネト州への小旅行、この日はまず、マロースティカという町へ行きました。ここは人間チェスで有名です。町に入ってすぐのカステッロ広場の地面に描かれたチェス盤の上を人間がコマになってゲームが進行するというイベントが偶数年の秋に開催されるのだそうです。今年も偶数年。町中でポスターを見ました。写真を見ると、中世のいでたちの人々が集まるようですが、このイベントはそれほど昔からのものではないようです。第一次大戦後に、町のチェス・クラブの人たちが遊びで始めた後、第二次大戦後に喜劇作家によって書かれた物語に由来しているとのこと。この話の中では、15世紀半ば、この町の城主の娘に求婚する二人の貴族が決闘しようとするところを城主が止め、代わりにチェスで勝敗を決することを提案。両貴族の配下の騎士たちがコマになって対決が行われたという物語。これにのっとったイベントなのだそうです。

広場の背後には丘があり、丘の上の城跡に向かって、城壁が伸びていました。その様子が、ちょっとスイスのベリンゾーナを思わせました。町のところどころに、カラフルなアップライトのピアノが置いてあり私を弾いてくださいと張り紙。バッサーノでも同様のピアノがありました。町のピロティでは、子供のピアノ発表会が。『猫ふんじゃった』程度の腕前では、置いてあるピアノの前に座る勇気は出ませんが、ちょっと弾ける人には楽しい企画ですね。ちなみに、その数か月後、まったく別の国でも同様のピアノを見かけました。