まな板の鯉ならぬハタ、生還果たすーーイタリアで

【2018年1月】イタリアのリグリア州、カモリにあるレストランで、料理される寸前の魚が海に放されるというニュースが話題を呼んでいる。この魚は2キロあるハタで、その名もマルタちゃん。

カモリで「ククー」というレストランを営むリッカルド・ブラギエーリさんは、今、まさにオーブンに入れようとしていたハタが、エラを開いたり閉じたりしているのに気づいた。このハタはその日の午前、この近海で獲れたばかりとはいえ、水揚げされてからすでに数時間がたっていた。

ブラギエーリさんが、たまたま店に来ていた客で友人のアマチュア釣り師に相談したところ、まだハタが生きていることが判明。二人はこの魚を水を張った洗面器に入れ、普通に呼吸ができるようにした後、海に放した。レストランのスタッフは、イタリアの漫画の中で、何度も狼に襲われそうになりながら、牧羊犬の助けで生き残る鶏の名をとって、このハタをマルタと名づけた。

ブラギエーリさんはマルタのビデオをフェイスブックに載せ、「マルタの生への執念と願望がなければ、彼女を助けることはあり得なかった」と記している。ビデオの視聴回数は2500回近くに達し、国内の大型メディアにも取り上げられたという。

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