イタリア・リラは、今や、屑?

【2014年7月】イタリア北部、ヴェネト州ロヴィゴ出身で、ブリュッセルに住む女性が、イタリア・リラをユーロに換金できないのは不当であるとし、消費者団体に助けを求めている。

いきさつは次のとおり。

女性の伯父で、ベルリンに長く住んでいた金細工職人が数ヶ月前に死亡。

子供がいなかったため、この女性に遺産が残された。

遺産には、この職人がドイツ銀行に保管していた計1億6000万イタリア・リラ相当のイタリア国債と14億5000万イタリア・リラの現金、および、約100万ドイツ・マルクの現金が含まれていた。

ドイツ・マルクについては、10日かかったものの、難なく73万ユーロ(約1億円)に換金できたが、女性がイタリア銀行に掛け合ったところ、イタリアでは、モンティ政権時代の法律で、2011年12月6日をもってリラからユーロへの換金は不可能となったと言い渡されたという。

少なくとも80万ユーロの価値があるはずの資産がふいになるのは納得できないとし、この女性は「ドイツでできたことがイタリアでできないということは、同じ欧州連合(EU)市民でありながら、人権に差があるということだ」と主張している。

消費者団体はイタリア政府を相手取って欧州司法裁判所に訴え出る構えだ。

イタリアの地方紙コリエレ・デル・ヴェネトが伝えた。

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