【2024年12月】南イタリアのソレントに滞在するからには、アマルフィ海岸を見なければ、という使命の下に、この日はアマルフィに向かいました。
ソレントの駅前から出発する路線バスに乗ります。
ところが、バスはもう、満席で、私たちは途中のポジターノまで立ちました。
前回、アマルフィ海岸を旅した時は、日本の家族がいたこともあり、ガイド付きの個人ツアーだったのですが。
「年を取って、バックパッカーのようになったね」と笑ったことでした。
アマルフィでは、大聖堂への階段を上り、今回は中に入ってみました。
前回は、高齢の母が、かなり急な60段を超える階段を上るのは無理だったので、下から眺めて終わったのです。
正式名は聖アンドレア大聖堂で、そもそもの歴史は9世紀にさかのぼるといいます。
時代とともに様々な建築様式が加わったとのことで、見栄えのするファサードは19世紀のものだそうです。
中は広々として荘厳。
聖遺物の礼拝堂だったと思うのですが、古そうな質素な壁に埋め込まれた棚に、金色のさまざまな像や器が並んでいるのが目に留まりました。
そこの案内板によると、中のマリア像は18世紀に光を放って、説教をしていた聖アルフォンソの顔を照らしたという奇跡があったとか。
今回は少し予習して、「大聖堂の地下聖堂を見るべきだ」と読んだのを覚えていたので、そちらに周りました。
こちらは、€2の入場料が要りましたが、それを超える価値があったと思います。
まずは「天国の回廊」と名付けられた13世紀の回廊。
120本の白い柱が、少しイスラム建築風に連なる素敵な空間です。
もらったパンフレットによると、アマルフィの貴族達の墓地なのだそうです。
回廊の奥から、「十字架上のキリストの聖堂」という一段と古い聖堂に入ります。
最初にアマルフィの大聖堂とされたのがこの聖堂で、歴史は6世紀にさかのぼるとのこと。
がらんとした白い空間で、たくさん並んだシンプルな窓からの光が印象的。
ところどころに14~15世紀のものだというフレスコ画の名残が見られます。
そして地下聖堂。
その空間が目の前に現れたとたんに、「おお」と声を上げたほど、意表を突く豪華さです。
パンフレットは「ここはアマルフィの心臓」と表現しています。
13世紀初頭にアマルフィにたどり着いた聖アンドレアの聖遺物が保管されているのだそうです。
今はある豪華な空間は、17世紀にここを支配していたスペインのフィリッポ3世の支援で、「末期マニエリズモ」という様式に改築されたものだとか。
実は私、アマルフィを訪れたのはこれで4回目だったのですが、4回目にして初めて、この素晴らしい地下聖堂を見たのでした。
やっぱり、予習は大切だと肝に銘じたことでした。