カットリカ

カットリカ

【2015年7月】南イタリアのスティーロの目玉は、このカットリカという礼拝堂です。

作りはマケドニア辺りで見たような正教会のような形でこじんまりしています。

キュレーターのおじさんがいろいろ教えてくれました。

ここは10世紀に、この辺りの洞穴に住む正教会の修道士の祈りの場として建てられました。

16世紀にはカトリック教会になり、鐘などが付け加えられましたが、今は教会としては使われていないそうです。

でも正教徒にとっては、今でも聖堂であることに変わりないとのこと。

中にある4本の柱はそれぞれ、ギリシャの大理石、イタリアの大理石、近所の花崗岩などと一本ずつ異なっています。

その中のギリシャのコリント柱を調べていたら、アラビア文字が発見され、コーランの出だしの文字が彫り込まれていることが分かったとか。

ギリシャから持ってきたときに、すでに刻まれていたのかもしれないけれど、11-12世紀に一時、正教徒とイスラム教徒が結託してノルマン人と戦ったことがあり、そのときにこの教会がモスクとして使われた可能性があり、その時に刻まれたのかもしれないという話でした。

このキュレーターも前日の博物館のおばさん同様、この地方の文化施設の運営に不満な様子

おいてあったノートに名前を書いてくれというので、書きました。

訪問客が増えれば配分される資金も増えるのだそうで、世界各地から見学者が来たことを立証するためのノートなのだとのことでした。