
【2024年12月】南イタリアのソレントで迎えたクリスマス当日、冷たい風が相変わらず強く、どこもほとんど閉まっていました。
交通機関の運行状況は案内もなく、不明です。
海まで出ようと散歩に出たのは良いものの、水際に降りるエレベーターも休業中でした。
少し歩いて下ってみましたが、ぱっとしない港に出るだけだとわかり、引き返した次第。
裏道で営業していたカフェに入ってみましたが、イタリア人でないおばさんが不機嫌で、ちっとも楽しくありませんでした。
なんだか、最悪のクリスマスです。
ただ、夜になって、クリスマス・コンサートが開かれるChiesa della SS Annunziata という教会へ行きました。
この辺りの教会はどこも、華やかな床がタイル張りで、大理石が多く使われている割に、天井は絵が描かれた板張りで質素です。
コンサートは無料。
その割には本格的で、びっくり。
ナポリのサン・カルロ劇場から来たゲストも含めた弦楽オーケストラが、バロック時代の作曲家、コレッリ の小品をいくつか。
モーツァルトのバイオリンとビオラの協奏曲K364の際には管楽器も加わりました。
無料で一般向けのクリスマス・コンサートの割には、選曲がなんだか高度。
演奏も立派で、聞きごたえがありました。
後半は、もうちょっとそれらしく、オーケストラの中のバイオリニストの娘2人が、それぞれバイオリン演奏を披露。
大きい子はマスネの曲を弾いたのですが、なかなか情感あふれた演奏でした。
小さい小は8歳だそう。
夫が言うには、どうやらお母さんが日本人のようだ、とのこと。
確かに、大きい子の方の名前が「あい」でした。
後は、ソプラノ歌手によるクリスマス・ソングのメドレーが場内を盛り上げました。
とても良い声が、無理なくすんなり出ている感じで、上手だと思いました。
教会はもちろん、満員です。
立ち見も出ていました。
数年前、クロアチアのドゥブロブニクでいくつか、けっこうなお値段を支払って行ったコンサートより、ずっと本格的で、満足感も得られました。
終わり良ければ総て良し。
おかげで、良いクリスマスになりました。