【2021年10月】イタリアのロンバルディア州にある小さい町、セレーニョに滞在し始めてすぐに気づいたのは、屋外ピアノ・コンサートを予告した看板でした。
蝋燭を灯し、ダンスも付くという話です。
これは楽しみ。
午後5時~9時と書いてありましたが、蝋燭の火の効果が見たくて、暗くなってから出かけました。
セレーニョの目抜き通りは、Corso del Popolo といいますが、この通りに面した2つの広場が会場。
1つ目に行ってみたら、ちょうど演奏が終わるところで、係員に尋ねて、もう1つの広場へ。
こちらでは、ダンスのパフォーマンス付きでピアノ演奏がありました。
踊っているのは、おそらく、地元のバレエ学校の生徒さん達。
4組のカップルが思いのままに踊っていました。
楽しかったですけど、もうちょっとオーガナイズした方がいいのではないかな。
この時、弾いていたのは男性ピアニストでしたが、その後は12歳ぐらいの女の子と、その先生とみられる女性が交互に演奏を披露しました。
ショパンやバッハなど、有名な曲も多かったですが、知らない現代風の曲もありました。
ただ、司会者に当たる人がいなくて、演奏者が勝手に舞台に上がっては弾くという形。
曲目の紹介ぐらい欲しかったなと思います。
でも、こんな小さい田舎町で、こんな文化的な催しが開催されているということに感心しました。
次の週末には、国際ピアノ・コンクールがあるという予告を見かけました。
ちょっとびっくりして調べたら、セレーニョではエットーレ・ポッツォーリ国際ピアノ・コンクールが開催されているのです。
ポッツォ―リという人は、1873年セレーニョ生まれのピアニストで作曲家、そして何より音楽教育者として世界的に知られた人だそうです。
彼の死後、奥さんが国際コンクールを始めたとのこと。
有名なピアニストのマウリツィオ・ポリーニが、このコンクールの初代の優勝者なのだそうです。
隔年で開催されているようで、今年は32回目。
是非、見たいと思って、夫があれこれ調べたのですが、時すでに遅し、チケットは全部売り切れていました。
ネットで確認したら、今年は1位無しの2位に日本の竹澤勇人さんが入ったと書いてありました。
ピアノ以外でも、この小さい町はイベントに力を入れているようで、ある夜には、ビヤガーデンが開かれていました。
今どき珍しい、毛皮専門店、毛糸専門店、趣味の切手の店もある古風な町なのですが、おしゃれなカフェも点在していて、落ち着いてカクテルなどを楽しめるところがたくさんあります。
どういうわけか、イタリアらしい昔ながらのレストランはあまり見当たりませんでしたが。