【2025年4月】ドイツのシュトゥットガルトは、自動車産業が盛んなところで、ベンツ博物館とポルシェ博物館が見どころとなっています。
私たちは特に車に興味があるわけでもないのですが、ここに来たからには、どちらか一つ見ましょう、ということになり、ベンツ博物館を選びました。
夫が昔、ベンツの車を持っていた時期があったからです(今はトヨタですが)。
けれど、この博物館、市の中心からかなり離れた辺鄙なところにあり、電車を乗り継いでいくのはかなり骨が折れることが、ホテルのレセプションで判明。
もう、良いお年頃の我々はタクシーを呼んでもらうことにしました。
そして来たのが、ふさわしくもベンツのタクシーだったのです。
ホテルのあるマリーエンプラッツから博物館までは、タクシーで€25(約4300円)の距離でした。
行ってみたベンツ博物館は、モダンでかっこよく、機能的にもよくできた博物館でした。
入場料は一人€16。
切符売りのおばさんが、私が日本人だと知ると大喜びで、その場を立ち去るときに、両手で手を振って見送ってくれたほど。
入場料にはヘッドフォンによる案内(日本語、イタリア語も)も含まれています。
素敵なエレベーターで、まず最上階に上りました。
最上階が歴史の始点で、そこから歴史がだんだん、文字通り下っていく形でした。
WIFIによって、各部屋に入るとヘッドフォンの説明が始まる仕組みだとのことでしたが、そこまできっちりは機能していなかったです。
でも、このくらいで良かったかも。
聞きたい説明だけ聞きました。
そもそも、19世紀後半、ベンツさんとダイムラーさんはライバルだったそうです。
スピード、エンジンはダイムラーさん、デザイン、高級感はベンツさんに軍配が上がっていたようです。
世界初の乗り合いバスなど、初物がいろいろ並んでいました。
その後、世界恐慌のあおりを受け、両社が1926年に合併し、ダイムラー・ベンツ株式会社となったそうです。
今は、メルセデスベンツ・グループという社名ですから、ダイムラーさんの名前は表から消えてしまったわけですね。
第二次大戦中は、ナチスの軍需産業の一翼を担ったため、戦後はコテンパン。
でも復興需要の波に乗って、発展したそうです。
主流の乗用車のほかに、歴史的なバスを集めた部屋、トラックの部屋、救急車など公用車の部屋なども。
ブエノスアイレスを走っていたというバスが、ことさら可愛かったです。
セレブが乗った車を集めた部屋もあり、故ダイアナ妃の車もありました。
夫が持っていた「190」という車も見つけたので、記念撮影。
ただ、夫の車は特注で、ブルーグレーのような色だったそうです。
最後の方に、夫婦ともども、今買うのならコレだな、と思った赤い車が。
まだ新しいためか、英語の説明しかありませんでしたが。
もちろん、土産物店もあり、けっこう高価なモデルなどが売られていました。
この博物館、車にさほど興味のない我々でも、こうした歴史的な事柄を十分楽しめましたし、技術的な事に興味がある人なら丸一日過ごして、さまざまなことを学べるのではないかと思います。