【2024年10月】北イタリアの我が家を訪れたフランスに住む友達を案内して、この日はベルガモに行きました。
まずは下の町(チッタ・バッサ)で腹ごしらえをして、フニクラで上の町(チッタ・アルタ)へ。
何度も行っていますが、石畳の坂に趣のある良い感じの町です。
昔々、1990年代前半に、私の父母と一緒に行ったレストランがまだそこにあるというのも心が温まります。
街歩きそのものが目的のようなものですが、友達に見せたかったのは、やはり、Basilica S. Maria Maggiore です。
ベルガモの宗教の中心として重要な位置を占めている12世紀からの歴史がある教会で、中には素晴らしいフレスコ画や彫刻があります。
入る前に、門の外にある「三つ玉の紋章」をなでました。
これは、かなり前にベルガモの南にあるマルパガ城で学んだことなのですが、このお城の城主バルトロメオ・コッレオーニには、睾丸が三つあったそう。
それを誇りに思っていたらしく、この三つの睾丸をデフォルメした紋章を作って、それが、自分が葬られている教会前にあるという話でした。
そして、この紋章をなでると、幸運が訪れるという謂れがあるのです。
ずっとなでたかったのですが、今回、ようやく叶いました。
むふふ、どんな幸運が訪れるのか、楽しみです。
このバリジカは、本当にため息の出る豪華さなのですが、前回訪れた時に、私の心に残った「生命の樹」の絵が見当たらなかったので、キツネにつままれた思い。
修復でもしていたのでしょうか。
今回は初めて、€5払って、宝物室に上りました。
前回訪れた時、半開きになったドアの向こうにわずかにフレスコ画が見えたのですが、ここが宝物室への入り口だったのです。
入場制限のために、入り口にボランティアのおばさんが立っていて立ち話をしたのですが、このおばさんの二人の伯父さんが熊本で伝道活動をしているとのこと。
で、このおばさんも九州に行ったことがあると言っていました。
近頃は、日本旅行が流行っていて、だれもかれも「日本に行ったよ」「今度行くよ~」と言うのですが、こうした特例もあるのですね。
伯父さんの一人は日本に帰化しているそうです。
ここの宝物のハイライトは、20種の木を使い、色を塗らずに木そのものの色を使って描いた宗教画。
この宝物室だけでなく、メインの祭壇の周りにもずらっと並んでいました。
それから、ほとんど密閉されたこの部屋から聖堂内の天井に描かれた女性像が眺められる小窓があること。
禁欲生活を強いられた修道士が、ここから女性像を眺めていたとかいう話でした。
気の毒にー。
絢爛豪華な聖堂のメインの部分は、バロック様式なのですが、この宝物室はそれ以前の様式で、質素にできています。
バロック化したときに、ここは閉ざされていて、手が及ばなかったのだそうです。
ここを出た後、バジリカのすぐ近くにある大聖堂にも入りましたが、こちらはもっとあっさりした教会です。
クリプトにも降りてみましたが、歴代ビショップのお墓が並んでいます。
確か、以前にも見たものだと思うのですが、まだ誰も入っていないお墓が5つ用意されていました。
死後の行き場所が決まっているというのは、どうなんでしょう。
安心感かしら、それとも諦めに似た気持ちかしら。
私の母も、何年か前に、大枚はたいて、お墓を買いましたっけ・・・。