呪いの遺跡を返しますーー盗品、ポンペイに返還される

【2020年10月】世界的に有名なイタリアの遺跡、ポンペイから盗まれた工芸品が一部、返還された。ポンペイの旅行会社が受け取った封筒に入っていたのは、遺跡の一部である5つの破片と二通の手紙。手紙には「呪いの遺跡を返します」とあった

封筒には送り主の詳細は記されていないが、カナダの切手が貼ってあるという。手紙によると、2005年にポンペイを訪れた旅行者が「歴史を愛するあまり、魔がさして遺跡の一部を持ち帰った」。しかし、その後、本人と家族に度重なる不幸が襲った。ニコルと名乗るその女性は「私は36歳になるが、2度に渡って乳がんを患い、乳房切除に至った。家族も乳がんになったうえ、金銭的なトラブルも被った」という。

さらに、「私が盗んだ物には負のエネルギーが含有されていたのだということが、時とともに明らかになった。ポンペイの人々が苦しみあえいで、ひどい死に方をしたことを思うと、それも当然だ」とし、「若気の至りでした。呪いを解くため、これをお返しします」と結んでいる。

もう一通の手紙は、自称アラスタインとキンバリーという夫妻からのもので、呪いについては書かれていないが、深く反省している旨が記されている。

ポンペイから遺物が盗まれる例は後を絶たないが、その一方で、自ら返却してくる泥棒も数多い。その多くが、呪いを理由に挙げている。2016年にはスペインから多くの遺物が返却され話題になった。

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