【2023年7月】画家たちの里、フランスのバルビゾンは、フォンテーヌブローの森の端っこにあります。
バルビゾン村から森の中に入りました。
森の入り口には、岩に彫られたミレーとルソーのレリーフがありました。
このフォンテーヌブローの森は岩登り、つまりロッククライミングの名所として有名。
今回会った友達夫婦も、その趣味が高じて、英国からフォンテーヌブローに移り住んだのです。
彼女たちは引っ越す以前も、旅行先はいつも、このフォンテーヌブローでした。
全く素人の私には、ロッククライミングと言えば、命綱を付けてアルプスの絶壁を上り詰めるスポーツで、頂上にたどり着いた時の達成感を求めるものだと思っていたわけですが、フォンテーヌブローの森にある岩は人の背丈の2倍もないものが多いのです。
そして、その岩に「上る」のが目的ではなく、どんなスタイルで手際よく岩の表面を伝っていくかというのがポイントだということが今回初めて分かりました。
こういった類のロッククライミングは、ボルダリングと呼ぶのですね。
友達によると、その昔は高山に上るロッククライミングの練習場としての位置づけだったそうですが、今はこれそのものが一つのスポーツとして認識されているそうです。
世界中に屋内練習場が点在していますが、近ごろの若い人たちの中には屋内での体験しかしたことがない人が増えているとのことでした。
友達にお気に入りの岩を指し示してもらいました。
この岩は上るのではなく、「横切る」ものでした。
子供の頃やったうんていを思い出します。
この岩の岩肌には、まるで爬虫類の皮膚のような模様があったり、小さな穴が連なっていたりして、まるで恐竜の化石のよう。
辺りを見渡すと、木々の合間合間に岩石がごろごろ転がっている異様な風景でした。
大昔は海底だったそうです。
この森は、この分野では、世界に名だたるボルダリングのメッカで、友達が出張先の米国で見かけた雑誌にも、ここが紹介されてあったとのこと。
たまたますれ違って言葉を交わしたクライマーは南米のチリの人でした。
ところで、どんな世界にも流派があるもので、このボルダリングでは、手にチョークを付ける人とそうでない人がいるという話。
ある体操の選手がボルダリングを始めた時に、癖で(?)手にチョークを付けてやったのが始まりで、多くの人が倣っているそうです。
でも友達によると、そのせいで、岩が滑りやすくなっているとのことで、彼らはチョークを付けない派だとのこと。
松脂を付ける流派もあるそうです。