【2024年7月】イタリア南部の小さい島、プローチダ島観光のハイライトと言えば、この素晴らしい眺めでしょう。
島めぐりをしてくれたタクシー運転手のカルロが、まずはカラフルな家々が群がる旧市街が左手の遠くに見える見晴らしスポットに連れて行ってくれました。
家がカラフルなのは、漁師が沖合からでも自分の家を一目で見極められるように、とのこと。
こういう話はよく聞きますね。
カルロはここに群がる家を「アラビア風の家」と表現したのですが、屋根の傾斜がない箱型の家のことでした。
この地点のすぐ下にビーチが広がっていて、ここが彼のお気に入りのビーチだそうです。
でも、180段以上ある階段を下らなくてはならないとのこと。
ということは、帰りは180段以上を登らなくてはならないわけです。
決意が要りますね。
このあたりに、20世紀のイタリアの有名な作家、エルザ・モランテが滞在して、代表作である「アルトゥーロの島」を書いたのだそうです。
隔絶された島で育った少年の成長が描かれているのだとか。
読んでみたくなりました。
その後、旧市街を通り抜け、逆側から、また見晴らしを楽しみました。
こちら側の丘の頂点にあるのは、ブルボン朝の城跡。
ごく最近まで、300人を収容する牢獄だったのだそうです。
夫も、プローチダ島というと、まず牢獄を思い出すと言っていました。
牢獄だった建物の脇に回ってみましたが、ところどころに窓が。
窓があるのは看守の部屋で、囚人の牢獄には窓もなかったとカルロが言っていました。
見晴らしスポットには、歴史のありそうな錆びた大砲が置かれています。
スペイン勢がフランスの攻撃から守るために作ったものですが、使われたことはないという話でした。
それにしても素晴らしい眺めです。
深い青緑色の海と、パステルカラーのごちゃごちゃと積み重なった箱型の家々。
こんなところで生まれ育ったら、灰色の都会で育った我々とは全く違う色彩感覚が植えつけられることでしょう。
旧市街の港には漁船が多数、停泊していました。
カルロによると、プローチダ島には大型漁船が7隻あり、毎日、漁に出ているため、いつも新鮮な魚が食べられるのだそうです。
それでは、そろそろその新鮮な魚を食べに行きましょう。
丘を少し下ったところで、ツアーを終え、私たちは、カルロが推薦してくれたレストランを目指して下っていきました。