【2019年4月】沖縄県の宮古島の南東の端にある細長い半島、東平安名崎の突先に向かって歩きました。
この半島は、長さ約2キロ、幅最大160メートル、高さ約20メートルだとのこと。
島のあちらこちらで無料で配布されている「観光ガイドブック 宮古島」という冊子に書いてありました。
石垣島に行った時にも同様の冊子があったのを憶えていますが、この冊子は情報が豊富で便利です。
これによると、東平安名崎は太平洋と東シナ海に面していて、隆起サンゴ礁の石灰岩から成り立っているのだそうです。
日本公園緑地協会という政府系の団体が1989年に定めた「日本の都市公園100選」の一つに指定されているとのこと。
半島の先の方にある灯台に向かって歩くと、途中で「マムヤの墓」という岩がありました。
そこにあった看板によると、マムヤという香草の香りのする美しい娘が、妻子ある野城按司と恋愛関係になりますが、野城按司は「将来のことを思えば、糞尿の臭いがしても妻の方が大切だ」とある人に諭されて、マムヤを見捨てます。
野城按司の心変わりを知って、マムヤは東平安名崎の断崖から飛び降りて亡くなりました。
これを嘆いたマムヤの母親が、この村に美人が生まれないように神に祈ったという話です。
野城按司の「按司」というのは琉球王国時代の王族の称号の一つだそうです。
調べてみたら、大筋はどれも同じですが、この話の詳細にはいくつかのバージョンがあるようです。
例えば、マムヤは野城按司との競争に負けて彼の第二夫人となった末、正妻と自分のどちらを選ぶかと彼に迫った時に、彼が正妻を選んだため自殺したとか、美人が生まれないように祈ったのはマムヤ自身で、その呪縛を解くには、東平安名崎の窪みに溜まった水が満月を映す時に、妊婦がその水を飲むことだとか・・・。
いずれにしても、こういった悲劇の主人公はたいてい一途な女性ですよね。
数年前、佐渡島で聞いた光子伝説を思い出しました。
奔放な女性に騙されて自殺する男の話があったら、聞きたいものです。
さて、東平安名崎の灯台には上ることができます。
夫は足を故障していたので、私だけ200円払って上りました。
チケットの半券によると、この灯台は1967年3月27日に初めて点灯したそうで、海面からの高さは43メートル。
光達距離は18海里だそうです。
上ってみたら、期待通りの絶景です。
今回の宮古島旅行では、数々の美しい景色を見ましたが、ここのが一番、心に残っています。
ここは初日の出の名所なのだそうです。
確かに、この場所で、海から昇る太陽を目の当りにしたら、心が洗われることでしょう。