【2023年8月】ギリシャの世界遺産、メテオラのツアーが始まりました。
まずは、この切り立った独特の岩の風景の説明。
太古には湖の底であった岩々が、ある時、数百年という速さで隆起したのだそうです。
砂岩と石灰岩でできた岩で、こういう所は、欧州ではスペインのモンセラートと、イタリアのドロミティとここだけで、規模はここが最大だとのこと。
後で私は、ドイツのバスタイにも似ているなと思ったのですが、岩の種類が違うのかな。
この岩々のあちらこちらに風によって洞穴ができ、そこに、やがて世捨て人が住むようになったといいます。
ガイドのマリアさんが、今も洞窟で生活する僧侶がいるところへ案内してくれました。
現在93歳のこの僧侶の「家」には、電気が引かれ、テレビもあるとのこと。
ただ、WIFIは引かれてないと言っていました。
93歳、さすがにネット閲覧はしないようです。
この人は最近まで、近所にある小さい聖マリア教会に下りてきてミサを執り行っていましたが、ここ数年は高齢過ぎるので、家を出なくなったそうです。
きっとヘルパーさん達が、彼の面倒をみているのでしょうね。
この人の洞穴の近所に、最後に亡くなった世捨て人の洞穴の跡もありました。
マリアさんによると、彼女の父親は子供の頃、学校をさぼって、こうした洞穴に隠れていたのだそうです。
僧侶がミサを行っていたという聖マリア教会、入口の扉が小さいのは信者がかがんで入ることで敬う姿勢を示すというだけでなく、侵入しようとする敵の首を切り落とすためだとか。
かなり血なまぐさい教会です。
ドアの上にある聖者の絵で、その教会が誰に捧げられたものか分かるのだそうで、ここのは高貴な色である青い服を着た聖母マリアが描かれています。
マリアの腹部には、白い服のキリストが浮いているように描かれていますが、これはマリアがキリストを妊娠していることを表しているのだそうです。
何年か前に、イタリアのトスカーナ州の村で、「出産の聖母」という絵画を見たのを思い出しました。
ここからツアーはいきなり、レストランへ。
私達がもらった説明書には食事については言及されていなかったので、絶食を覚悟していたのでしたが。
短時間でささっと食べ、残ったものはバスに持ち込めるよう、最初から持ち帰り用で捨てられる容器に入ったものをその場で食べました。
よくオーガナイズされています。
私達は肉団子とごはんのセットを選び、冷えた赤ワインをグラスで飲んで、二人で€26(約4100円)。
夫が作るようなやさしい味の肉団子でした。