【2021年12月】ポルトガル北部の町、ブラガへのツアー、次に行ったのはボン・ジェズス・ド・モンテ聖域という巡礼地です。
エスピーニョ山の頂上にあり、割と最近の2019年にユネスコ世界遺産に登録されたのだそうです。
巡礼者のために、この付近に4つのホテルもあるとのこと。
教会は1811年に完成したもので、劇場風の造りになっているのが特徴なのだそうです。
例えば主祭壇。
十字架にかかったキリスト像の周りにローマ兵が散らばっている珍しいものです。
外に出てみたら、正面入口付近に、ひざまずいる巡礼者の姿がありました。
ガイドブックによると、ここから眺める夕陽の景色が素晴らしいそうです。
けれど、ここの目玉は、教会でも夕陽でもなく、階段です。
私達のツアーは教会から始まり、説明を聞いた後に各自で階段を下りる形だったので、その美しさを目の当たりにしたのは、集合場所だった円形踊り場から階段を振り返ったときでした。
白壁に灰色の縁取りのあるジグザグ型の階段で、てっぺんの教会によくマッチしています。
途中、要所要所に、キリストが十字架を背負って処刑場所まで行く様子を非常にビビッドに表したお堂があります。
それから、人の五感を表して、目や鼻や口などから水が噴き出している噴水もありました。
この階段の脇には、水力で動く可愛らしいケーブルカーもあります。
踊り場まで下りてきて、その中央に立って階段を見上げると、真ん中の彫像が重なって見えるのですが、それが聖杯の形に見えると教わりました。
また、両脇には蛇の形の噴水が。
キリスト教では、蛇は誘惑を意味するそうですが、ここの蛇は、ここまで上ってきた人達が水を飲めるように作られたものだそうです。
というのも、階段の美しい部分は、この円形の踊り場までですが、階段はさらに下に続いていて、全部で585段あるのだとか。
後にミニバスで、その階段の始まり部分を通りました。
ところで、階段を下り始めるところの近所に、ローマ人の騎士像があるのですが、ガイドのクラウディアによると、この像の周りを5周すると、縁に恵まれるとのこと。
ただし、対象は女性のみで、ひと言も話さずに回ることが肝心なのだそうです。
クラウディアは「ポルトガル人の私達がしゃべらずにいるのは、難しいことですけどね」と言っていました。
スペイン人やイタリア人に比べて、ポルトガル人は寡黙なのかと思っていたので、ちょっと意外でした。