【2022年12月】スペイン西部の大学町、サラマンカの大聖堂を見た後、すぐ近くにCasa Lis という館があり、ここがMuseo de Art Nouveau y Art Deco (アールヌーボーとアールデコの博物館)です。
入場料は一人€5(750円ほど)。
入ると、カラフルなステンドグラスの天井のあるホールに迎えられます。
これが目を見張る美しさなのですが、なんと、中は写真撮影が不可。
こんなに残念だったことはめったにありません。
もらったパンフレットによると、この館は20世紀初頭に建てられたもので、Don Miguel de Lis というアールヌーボー好きの地元の貿易商の個人の家だったそうです。
その後、何人もの人の手に渡った挙句、サラマンカ市のものとなり、修復され、博物館としてオープンしたのは1995年のこと。
展示品の多くは、収集家のDon Manuel Ramos Andrade という人が寄贈した物だそうです。
おもちゃから、ブロンズ像、陶器、家具、宝飾品、絵画まで、様々なジャンルのモノが並んでいます。
テレビドラマ化されたアガサ・クリスティーのポワロの世界。
博物館中に、上品でおしゃれな雰囲気が漂っています。
驚いたのは、キューピー人形の展示があったこと。
キューピーさんってアールヌーボー、またはアールデコの人形だったのですか、知りませんでした。
調べてみたら、20世紀初めに米国のイラストレーターが生みの親で、広めたのがドイツの人形メーカーだったようです。
キューピー人形だけでなく、私達が幼いころ「フランス人形」と呼んでいた人形も並んでいました。
このCasa Lis は裏側にも美しいガラスの廊下があり、誰もいないすきに、こっそり携帯で写真を撮りました。
こんな美しいものを訪問者の脳裏にしか残せないなんて罪です。
ちなみに、翌日、サラマンカの南を流れるトルメス川沿いに散歩し、旧市街に戻ってきたところで、たまたまこの館の裏側に出たので、外からガラスの廊下の写真が撮れました。
博物館には売店もあり、展示品のいくつかのレプリカを売っています。
その場では、買うに至らなかったのですが、その後、夫と相談して、町なかにある小売店でブックエンドを買いました。
このブックエンドは、今も画面から目を離すとすぐそこの机の上に置いてあり、その一角だけ妙におしゃれで嬉しくなります。
サラマンカは特にアールヌーボー・アールデコの町というわけではないのですが、この博物館のおかげか、こうしたレプリカを売る小売店がいくつかありました。