【2024年4月】アルバニア・ツアー、この日の目的地ベラトに到着です。
オスマン・トルコ時代の街並みが残っているということで、世界遺産になっている町です。
丘の上に城跡があり、その周りに古い家並みがあります。
それとは別に、丘の麓にも伝統的な家々が建ち並んでいます。
上の方はKalaja、下の町がMangalemと呼ばれているようです。
何しろツアーなので、着いたらすぐにKalaja地区の観光が始まりました。
オスマン時代から変わっていないと思われる坂のある通りを少しばかり歩いて、最初に行ったのは、オヌフリ博物館。
16世紀の貴重なイコンがここの目玉です。
もともと教会だった建物で、イコノスタシスなども残っています。
ベラトには昔、40の教会があったそうですが、今残っているのは12のみで、この博物館もその一つ。
ガイドのジョルジョ(とイタリア人のツアーでは呼ばれていましたが、アルバニア式には多分、ジェルジ)によると、イコノスタシスの絵は僧侶が描いたものなので、絵画的には稚拙ですが、伝統にのっとっていて、価値が高いそうです。
彼の説明では、正教はその昔、イスラム教やユダヤ教と同様、女性は別室(上のバルコニー)でお祈りをしたそうですが、その後、既婚女性は右側の席、男性は左側の席に分かれて座るのようになったとか。
未婚女性は依然、バルコニー席だそうですが。
聖職者は結婚していても構いませんが、既婚だと、昇進しないのだそうです。
結婚は聖職に就く前にしておかなければならず、その後には認められないという話でした。
博物館に並ぶイコンはところどころに見られる朱色が特徴。
これがオヌフリというイコン画家が発明した色あせない朱色です。
けれど、相当ケチな男だったらしく、自分の息子にさえ、その朱色の作り方を教えなかったため、今も真相は不明だそうです。
これも、ジョルジョの指摘で、と分かったのですが、マリアとキリストが描かれた絵は、年代と共に人間性が加わってきました。
初期にはのっぺりとした図のような絵でしたが、徐々に、マリア様に人の表情が加わってきているのが如実に分かりました。
この博物館を出た後、もう一つ、Church of Mary Blehernaという教会を訪れました。
かつては、室内がフレスコ画で覆われていたらしい名残がある小さい教会でした。
正教の教会にはよく、フレスコ画が全体に施されている古い教会がありますね。
アルバニアから距離的に遠くない北マケドニアや、果てはジョージアで見た教会を思い出しました。
案内板によると、この教会はベラトでも最も古い教会だそうで、元は修道院を付設していたらしいとのこと。
今ある姿は、16世紀に再建されたものだそうです。