色褪せた駅から郷愁を誘う列車に乗って

色褪せた駅から郷愁を誘う列車に乗って

【2021年12月】ポルトガルのリスボンに滞在中、アレンテージョ地方のエヴォラへ遠足しました。

何年か前に、アレンテージョ地方に絞って旅行したことがあり、エヴォラにも行ったのですが、その時に見落とした骨のチャペルが目的です。

私が骨のチャペルに興味を持ち始めたのは、2017年に同じポルトガルのファロで初めて見て衝撃を受けてからです。

その後、イタリアフランスチェコで、骨でできた壁をいくつか見てきました。

エヴォラにも有名な骨のチャペルがあることは、だいぶ前に知り、機会があったら是非、見たいと思っていたのです。

ポルトガル、リスボンのオリエンテ駅のプラットフォーム
見栄えのするプラットフォームの天井

リスボンからエヴォラは、列車で約1時間半

日帰りできる距離です。

調べたら、リスボンのかなり外れのオリエンテ駅から列車が出るとのこと。

私達はタクシーでわざわざ、そこまで行きましたが、実際に列車に乗ってみたら、もうちょっと市の中心に近い駅にも停まりました。

オリエンテ駅は独特で、出来上がった当時はとてもモダンで格好良かったのでしょうが、それが古くなって色褪せている感じの駅。

ネット情報によると、1998年にオープンしたようです。

ポルトガル、リスボンのオリエント駅の構内
薄暗い駅の構内

プラットフォームの天井は今でも見栄えがしますが、構内はコンクリートの打ちっぱなしで、特にこの日のような雨の日は、なんとも薄暗くて陰鬱です。

列車は2人で往復€45(6000円弱)。

座席指定でした。

この列車が郷愁を誘う雰囲気。

私達は1950~60年代を舞台にしたドラマをよく見るのですが、そのドラマに出てきそうな緑色のカーテン付きです。

私達が指定された席に座っていたら、年老いた母親を連れたおじさんが、「そこは我々の席です」と言ってきました。

ポルトガルの列車の車内
緑色のカーテンが郷愁を誘う車内

どうみても、私達は間違っていないのですが、お年寄りに席を譲るつもりで、私達は空いた席に移動しました。

列車が動き出し、リスボンのベレン地区の赤い橋(4月25日橋)を渡ってしばらくして車掌さんが切符検査に回ってきました。

くだんの母子のところで、「これは違う列車だよ」。

二人は、間違った列車に乗っていたのです。

感じの良い教養が感じられる人達で、おじさんは流暢な英語で私達に謝り、「こんなことは初めてです」ととても恥ずかしそうでした。

そんな一件があった後は、ごくごく静かに時が過ぎました。

雨模様だからか、車窓もあまり見るべきものがなく、退屈な1時間半でした。