【2023年8月】ギリシャのアテネでの二日目、友達はアクロポリス、我々はリカヴィトスの丘を目指しました。
アクロポリスは以前、行ったことがあり、再訪したいほどではなかったので。
地下鉄の1日券(€4.10)を買って、まずはシンタグマ駅へ(構内放送では、シンダグマと濁って聞こえましたが)。
アテネの地下鉄は切符が買いやすいし、分かりやすかったです。
ただ、8月のこの時期、まだマスクをしている人をたくさん見かけ、コロナ菌が蔓延しているのかとちょっと心配になりました。
結果的に、問題ありませんでしたが。
シンタグマで地上に出て、ついでだから衛兵を見に行きました。
無名戦士の墓を24時間体制で守るこの衛兵は、「エヴゾネス」と呼ばれるエリートで、背丈が188センチ以上でなければならないとのこと(確かその昔行った台湾でも似たような規定がありましたっけ)。
直立不動を続け、30分に一度、左右が入れ替わり、1時間に一度、交代式があるそうです。
私達が行った時には、ちょうど衛兵が左右のボックスに入ってしまったタイミングだったので、しばらく待ちました。
アイスクリームでも売りそうなボックスの中で立つ衛兵の汗を、迷彩色の兵隊が拭き取ってあげてるのを夫が目撃しました。
やがて出てきた衛兵2人のパフォーマンスが始まりました。
脚を90度に上げて、軸足は少しプリエしてじっと止まります。
そして足を曲げたり伸ばしたり。
これはかなりの練習を積んでいるはずです。
ここでぐらついてはまずいわけですし。
ちょっと真似してみましたが、これはかなり難しい。
このパフォーマンスの振り付けについて知りたかったのですが、あちらこちら検索しましたが、その所以ははっきり分かりませんでした。
一説には、ある王様が最愛の馬を懐かしがったために、衛兵に馬のような歩き方をさせた、というのがありました。
けど、馬がこうしたパフォーマンスをするとは思えないので、疑問です。
ただ、ドンと足を踏み鳴らすことについては、亡くなった無名戦士たちに、ギリシャが今も自由国家として生き続けていることを知らせるためだとか。
また、動きがゆっくりしているのは、それまで微動だにせず立ち続けていた衛兵たちの血の巡りを徐々に良くするためだと書いてあるのも見つけました。
現役の衛兵たちは、1か月の訓練を受け、試験をパスした人たちだそうです。
着ている服についてですが、民族衣装の「フスタネーラ」という名前で、400年に渡るオスマントルコの支配の後、19世紀前半に独立を勝ち取った際に着ていた軍服だそうです。
特に目を引くボンボンのついた靴はTsarouchiと呼ばれ、3~4キロの重さがあるのだとか。
これを履いて脚を揚げるわけですから、よほど足首が強いのでしょうね。
私達が見た時には、ベージュの普段着(?)でしたが、日曜日に大々的な交代式がある時には、白地に複雑な模様のある凝った制服を着るらしいです。
ひだが400もあり(400年間のトルコ支配をあらわしている)、30メートルの生地が使われているとのこと。
私達が見ている間に、新たな交代要員が3人来て、同様のパフォーマンスを見せて入れ替わりました。
新たに来た衛兵の一人は、脚上げが90度に達していなかったので、新人だったかもしれません。