退職間際の電車で

退職間際の電車で

【2022年9月】イタリアのシチリア島、シラクサでの滞在型夏休みもあと少し。

モディカとラグーサへの一泊旅行から帰ってきた翌日は、この夏最後の海水浴へ。

シチリア島、シラクサからフォンターネ・ビアンケへの列車の中
列車の中はこんな風

行先は数日前にも行ったフォンターネ・ビアンケです。

前回バスで45分ほどもかかりましたが、列車で行けば13分だと学んだので、列車で行くことにしました。

バスは無料ですが(本来は運賃があるはずですが、運転手も乗客も知らんぷり)、列車は一人€2.60(360円ちょっと)でした。

プラットフォームに出てみて、「あれ?」。

前夜、ラグーサから帰ってきた時と同じ、落書き満載の一両編成の列車です。

しかも、車掌さんも同じ人。

シラクサからフォンターネ・ビアンケへの列車の車窓
落書きで外が見えない列車の窓

この車掌さんが誰かに話しているのを夫が聞き取ったところによると、彼はあと数ヵ月で退職するのだそうです。

さらに、列車の中で私の隣に座った人がトレニタリア(イタリアの国鉄だった鉄道会社)の従業員だったようで、この車両もあと数ヵ月でリタイアだと同行の人に話していました。

この車両は40年間使われたそうです。

もっとずっと古いのかと思っていましたが。

確かに13分ほどで、フォンターネ・ビアンケ駅に到着しました。

それは良かったのですが、ビーチまで延々と歩く羽目に。

シチリア島、フォンターネ・ビアンケのビーチ
空席が目立つビーチのパラソル

バスと列車、一長一短です。

やっと着いたビーチでは、前回と同じパラソル屋でしたが、海に面した場所は予約でいっぱいとのこと。

空いているように見えても、シーズン中を通して予約している人がいるのだとのことでした。

結局、後ろの方のパラソルを€20で借りました。

この日は風があったせいか、前回とはかなり様子が違っていました。

暖かさは変わらないのですが、波があるせいか、人が引いて行くのが早かったです。

そのせいで、どんどんパラソルがたたまれていくので、寝そべっていても落ち着かない感じ。

前回ここに来てから4日しかたっていないのに、すっかり夏の終わりの雰囲気でした。

列車も車掌さんも退職間際、私達のホリデーも終わりに近く、なんだか寂しい気分です。

シチリア島、フォンターネ・ビアンケの人気のないビーチ
夏の終わりを感じさせる寂しいビーチ

波の動きを眺めながら、「次に海で泳げるのはいつのことだろう」としんみり。

海水浴と言っても、私の場合、海に入ってぷかぷか浮くだけなのに、どうしてこんなに楽しいのでしょう。

帰りはバスに乗ることにしました。

前回と同じ時刻にバス停に赴いたのですが、ほかに誰もいないし、バスも来ません。

この日は週末で、バスのダイヤが異なるようです。

付近のジェラート屋でバスが来る時間を聞き、フラッペを食べて、モンタルバーノを読みながら時間をつぶしました。

まさにモンタルバーノの世界だなあと思いながら。

ちなみに、夫によると、そこにあったATMでお金をおろそうとした人に、ジェラート屋の太っちょのおじさんが「この機械はお金を出すこともあるが、出さないこともあるんだよ」と言っていたそうです。