ウフィツィ美術館、大幅値上げーー観光客の質の向上狙う

【2017年7月】イタリアの花の都、フレンツェ最大の観光名所、ウフィツィ美術館が、来年3月から入場料の大幅値上げを実施する。現在の均一料金から、季節や時間によって異なる価格を設定し、混雑が激しい現状を改善するだけでなく、本当に美術に親しみたい観光客に的を絞りたい意向だ。

ウフィツィ美術館の入場料は現在、一律8ユーロ(約1040円)。来年3月にはこれが20ユーロに跳ね上がる。ハイシーズン中の10月まではこの料金が課され、オフシーズンとなる11月から翌年2月までは12ユーロと割安になる。また、午前8~9時の入場は半額と、早朝割引も設定する。

2015年秋に就任した、同美術館初の外国人館長でドイツ人のアイケ・シュミット氏は今回の改革について、単なる価格の引き上げでなく、歴史的な文化施設のあり方を変えるものだと説明。一回の入場券だけでなく、三日有効の入場券や、その他のフィレンツェの文化施設を網羅した365日有効の年間入場券(70ユーロ)も導入し、何度も通って心行くまで美術を堪能したい人々を優遇する。

世界遺産であるウフィツィ美術館の入場者は年間200万人にものぼり、ゆっくり美術品を鑑賞できる環境ではなくなっているという。話のタネに有名作品をちらっと見るという程度の観光客には、できるだけご遠慮願いたいというのが本心のようだ。

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