【2024年4月】アルバニアの古い町、ジロカストラで最後に行ったのは、伝統的なコーヒーの入れ方を実演してみせている店でした。
地べたにキリムが敷かれていて、その上に博物館で見たような円形の低いテーブルが。
私達は、その周りに設えられた低いベンチに腰掛けました。
店のおばさんがいろいろ説明してくれ、おじさんが実演。
まずはイチジクのジャムが振舞われました。
それを舐めた後、次にラキアを飲みます。
ラキアは40度ある強い透明のお酒で、ブドウから作るそうです。
イタリアのグラッパとよく似ています。
最後に主役のコーヒー。
まずは焚火で100グラムのコーヒー豆を炒ります。
共産主義時代、各家庭に1か月100グラムのコーヒー豆が支給されたそうです。
100グラムはほんの一握り程度。
当時、何を料理するにも使ったストーブがあり、それでコーヒーも炒ったそうですが、本来は焚火を使うのだそうです。
ガイドのジョルジョが子供のころ、コーヒーを炒る係だったそうで、こんな貴重なコーヒーをこがしでもしようものなら、こっぴどく叱られた思い出があると言っていました。
コーヒー豆がテカテカになったら出来上がりで、皮が剝がれてしまったら湿っぽ過ぎるので、捨てなければならないのだとか。
炒った豆は、石臼に入れて突きます。
800~1000回突くと、丁度良い粉になるそうです。
この石臼のおかげで、ここのコーヒーには独特の味わいがあるという話でした。
いわゆるトルコ・コーヒーで、私にはその「特別な味」は分かりませんでしたが。
私達に出されたのは、前日のツーリスト向け実演でできた粉で入れたコーヒーでした。
豆はどこのものでもかまわず、たいてい、若い豆と古いのを混ぜて使うとのこと。
最初にこの町にやってきた豆はイエメン製だったとか。
いかにも、団体ツーリスト向けではありましたが、こういうイベントは楽しいですね。