竜の青い目

竜の青い目

【2024年4月】アルバニアの古い町、ジロカストラを後にして、この日行ったのは、ブルー・アイという泉です。

本当はオプショナルツアーだったのですが、皆が参加すると言ったため、ここに立ち寄ることに。

アルバニアのブルー・アイへは、このトレニーノに乗って
ツアーの皆が乗ったイタリア製のトレニーノ

ブルー・アイは、この日の宿がある海辺の町、サランダまでの中間ぐらいにあります。

ツアー・バスを降り、赤いトレニーノに乗り込みます。

もちろん、歩くこともできますが、私達のツアーの主な面々は年配の人々なので、こういう手配になっていました。

ちなみにトレニーノはイタリア製でした。

この辺りはその昔、生い茂った森の中でしたが、ある時、この地区一帯に植物の病気が発生し、木々が死んで、この泉が見つかったそうです。

共産主義時代は、政府の要人のみのリゾートだったという話でした。

水深70メートルとみられるアルバニアのブルー・アイ
深さが不明のブルー・アイ

だから知る人も少なく、かつては、アルバニアの秘境だったのですが、いまでは、一大観光地。

人がわんさかいて、ちょっと興ざめでした。

でも、噂通り、泉は本当に美しいクリソコーラ色。

退治された竜が沈んでいて、その青い目が映っているのだと言われているのだそうです。

ダイバーが潜って深さを探りましたが、40メートル潜っても行きつかず、いまだに深さは分かっていないとのこと。

おそらく70メートル程度だとみられているそうです。

アルバニアのブルー・アイ付近を飛んでいた美しい青いトンボ
ブルー・アイにふさわしいトンボ

泉の美しい色に呼応するかのように、きれいな青い色のトンボが見られました。

ここに端を発して、ビストリカという川が流れているのですが、これがまた澄んでいて美しかったです。

浅く見えますが3メートルぐらいの深さがあるとのこと。

私達のガイドの考古学仲間が飛び込んだところ、あっという間に200メートルほど流されたというほど、流れが速いのだそうです。

アルバニアのブルー・アイから流れ出るビストリカ川
澄んでいるビストリカ川

それから、この川沿いをしばらく行ったところのメソポタミという所にある、サン・二コラ教会を見学しました。

12世紀からの歴史がある教会ですが、そもそもの設計が悪く、何度も修復・補強がされていて、その痕がみられました。

土台の石はローマ遺跡から取って来たものだそうです。

ライオンや鷲、架空の動物などが外壁に彫られているのが特徴。

中はかなり雑然としていました。

アルバニアのビストリカ川沿いのサン・二コラ教会のレリーフ
12世紀からの歴史を持つサン・二コラ教会のレリーフ

共産主義時代、全ての宗教施設の利用が廃止され、壊されたものも多かったそうですが、一部は集会所や倉庫として使われたそうです。

国の体制が変わり、教会はキリスト教団体に返されましたが、修復する資金がなくて、そのまま、ということが多々あるという話でした。

ここも今は教会としては使われていません。

ただ、隣の墓地は使われているとのことでした。