【2024年5月】アルバニアの首都、ティラナで次に見たのはピラミッドと呼ばれる建物です。
この国の独裁者だったホジャの功績をたたえる博物館として建てられたもので、「ホジャの廟」とも呼ばれていたそうです。
1988年にオープンし、国の体制が変わる91年までは、共産党の教えを学ばせる教育施設として使われていたとのこと。
ガイドのジョルジョが子供の頃には、年に20回ほども、ここを見学させられたそうです。
ただ、見学の後は、遊び場だったとか。
今は斜面が階段になっていますが、当初は単なるスロープで、どこまで駆け上れるか競争していたとのこと。
段ボールを持って上がり、登り切ったところから滑り降りるのが楽しみだったそうです。
ジョルジョは「でも気を付けないといけなかった。ズボンは一着しかなかったからね」と言っていました。
若者に成長してからは、友達との集合場所として使っていたそうです。
何しろ、電話はアパートの各建物の中に住む共産党員の家に一つあっただけだったといいます。
なので、皆、とりあえずピラミッドに来るのが習わしで、来た仲間と、何をするか決めていたのだそうです。
初めてタバコを吸ったのもここ、初恋の相手と初めてキスをしたのもここ。
青少年だったティラノ市民のいろいろな思いが詰まったピラミッドですが、今は市民が無料で学習できる教室と、その運営資金のための店が入っているという話でした。
私達は中には入らず、道を隔てた歩道で、話を聞いたのでした。
それから首相官邸も遠目に眺めました。
今の首相はエディ・ラマさん。
ジョルジョによると、「画家になりそこなって首相になった人」だそうで、官邸では自分の絵の展覧会を開いては、高く売っているのだとか。
首相官邸付近は、政府要人の家々が集まっていて、かつては、一般人は立ち入り禁止だったそうです。