【2024年6月】北イタリアのマントヴァでは今回、テアトロ・ビビエナに加えて、パラッツォ・テを訪れるのも目的でした。
マントヴァは強力な貴族、ゴンザーガ家の牙城で、ドゥカーレ宮殿がその本拠だったのに対して、パラッツォ・テは離宮としての位置づけだったようです。
1525~35年に、フェデリコ2世ゴンザーガの命で、著名なアーティストだったジュリオ・ロマーノによって建てられたとのこと。
旧市街の中心から少し離れた場所にあり、20分ぐらい歩いて行きました。
入場料は一人€15(2500円弱:65歳以上は€11)。
外観は大きな博物館といった感じの建物ですが、入ると、どの部屋もゴージャス。
家具は置いてなく、もっぱら天井と床を見て周りました。
「太陽と月の間」とか、馬の絵が目立つ部屋とか、闘いの間とか、それぞれ目を見張る美しさで、いちいち写真を撮りました。
けれど、圧巻だったのは「巨人の間」。
壁から天井が一体となったフレスコ画で覆われています。
そしてその絵がとても大胆。
これを見た後は、ほかの部屋の写真を撮る気が失せるほどに強烈な部屋でした。
案内板によると、古代ローマの詩人オウィディウスの「変身物語」の中の「巨人の墜落」を絵にしたものだそうで、この部屋ができたのは1532~35年とのこと。
この部屋を見るだけでも、この宮殿を訪れる価値があると思います。
とっても豪華な宮殿なのですが、そもそもはフェデリコ2世が休息や娯楽のための「小さい屋敷」を求めて、ジュリオ・ロマーノに建設を依頼したのだそうです。
でも、こんな立派な宮殿になったので、神聖ローマ皇帝などの要人が招かれて滞在したとのこと。
ちなみに、宮殿になる前は、ゴンザーガ家の馬小屋があったといいます。
建築を手がけたジュリオ・ロマーノは、有名な画家のティツィアーノと友達で、ティツィアーノが描いたロマーノの肖像画も飾ってありました。
気になるパラッツォ・テの「テ」なのですが、ここはそもそもテイエトという島だったそうで、そのテイエトの「テ」なのだそうです。
つまらない説明ですが、事実は案外、そのようなものなのかもしれませんね。