【2015年12月】この写真は、サンティアゴにあるチリの大統領官邸、モネダ宮殿です。
モネダというのは硬貨のことで、もともとは造幣局だったのだそうです。
この建物を作ったのも、大聖堂と同様、イタリア人建築家のホアキン・トエスカ。
1805年に完成しました。
この建物は、チリの近代史に深くかかわっています。
1970年に民主的な選挙で選ばれた左派政権、サルバドール・アジェンデ政権を1973年に腕力でつぶしたアウグスト・ピノチェト将軍は、このモネダ宮を空襲しました。
アジェンデ大統領は、「辞任するなら海外へ逃がしてやる」という軍の申し出を拒み、最後までモネダ宮で戦った後、最終的には当時のキューバのフィデル・カストロ首相からもらった小銃で自殺したと言われています。
アジェンデ大統領の像が宮殿の正面の広場にあります。
ピノチェトとアジェンデの評価はいまも分かれると言われますが、ピノチェトの像はありません。
私はピノチェトが英国に来ていた時期を覚えています。
マーガレット・サッチャー英元首相と仲良しだったようです。
公正な裁きをのらりくらりとかわして、91歳まで長生きしたというのですから、呆れたものです。