カンパニア周遊鉄道を語る

カンパニア周遊鉄道を語る

【2024年12月】南イタリアのソレントでの冬休み、この日はナポリ郊外の町、エルコラーノにある遺跡観光を予約してありました。

カンパニア周遊鉄道の乗り換え駅、Torre Annunziata
ソレントからエルコラーノへの道中に乗り換えたTorre Annunziata駅

ホリデーの始まりから5日目にして、ようやく観光です。

計算違いだったのは、ソレントの鉄道駅からエルコラーノに行くのに、一回乗り換えなければならなかったこと。

乗り換え駅は、Torre Annunziata という名前です。

全く知らない場所ですが、夫には馴染みのある名前だといいます。

というのも、子供のころの仲良しグループに、この町出身のニコリーノという子がいたのだそうです。

ニコリーノは、シチリア島のメッシーナ出身のニコローネと組んで、賢く、切手と漫画を物々交換。

カンパニア周遊鉄道の列車の中
プラスチックの椅子で暖房のない車内

その漫画を古本屋で売ったお金で、みんなでローストチキンを食べていたそうです。

夫の子供時代ですから、半世紀ほど昔の話。

その当時、彼が育ったミラノ郊外には、南イタリアから移住してきた家族がたくさんいて、子供のころからこうした具合に、(ずる)賢くふるまっていたのだそうです。

それにしても、この列車、カンパニア周遊鉄道(Circumvesuviana)の乗り心地の悪いこと!

そもそも初日に、ナポリーソレント間の往復切符に€70(2人で)も払って、ぼったくられた話は前述の通りです。

南イタリア、カンパニア周遊鉄道の列車には落書きが満載
落書きのない車体は見当たらない

車体は落書きが満載。

椅子はプラスチックで固いうえ、この寒いのに暖房が入っていません

「暖房の節約が命」のこの辺りの人々(我々の宿主がまさに、コレ)なので、気にならないのでしょうか。

今回のホリデー中、何度も使わざるを得なかったのですが、「こんな思いをしてまで行く価値があるのだろうか」と思うほどに辛い道のりでした。

さらに悪い印象に輪をかけたのは、ソレントでの切符売りの窓口の女が嫌な人だったこと。

電車が今にも発車しそうなのがわかっているのに、わざとぐずぐずし、同僚とおしゃべりをやめなかったのです。

カンパニア周遊鉄道の駅のプラットフォーム
沿線の町には犯罪率が高いところが多い

人を困らせ、こんな下らないことで、人に対する自分のささやかな権力を誇示したいのでしょうか。

この時は、ぎりぎりで駆け込み乗車ができたのですが。

ちなみに、この沿線の駅には、悪名高いところがいくつもあるそうです。

私自身は知りませんが、夫によると、イタリアでクロナカ・ネラと呼ばれる犯罪事件のニュースの舞台として聞き覚えのある地名が目白押し。

旅行者が巻き込まれることは、ほとんどなさそうですが。

こういうことを実地で学べるのも旅行のメリット、でしょうかね。