
【2025年6月】この日参加したツアーは、ギリシャのクレタ島東部の内陸にある村を訪れるのが目的でした。

その一番の目的地はクリツァ村です。
カステロスという山の中腹に白い家々が立ち並ぶ様子が絵になる村で、昔から女性による織物やレース編みが盛んなところだといいます。
アギオス・ニコラオスの町から10キロそこそこですから、観光客に人気が出たのもうなずけます。
なので、この村の目抜き通りは、お土産店やカフェであふれています。

この村独特の民芸品を売るならともかく、海辺の店と同じようなものが売られていました。
もはや、クレタ島の内陸部の村らしさを失ってしまっているのではないかな。
けっこう、おばさん達が客引きに力を入れていましたし。
もちろん、住んでいる人の姿もありましたし、風景は可愛らしいので、写真はたくさん撮れましたが。

ガイドのジョージが連れて行ってくれたのは、瀬戸物やガラスを作っている工房。
ここで作っているコップが面白い仕組みで、液体を少し入れると普通のコップですが、なみなみ入れると下の穴から出てしまいます。
欲張りを叱るためのコップらしいです。
ガラスづくりも少し見せてくれたのですが、ここでは誰も何も買いませんでした。

ところで、ギリシャでは、亡くなった人の写真を張る掲示板があります。
この村のそういった掲示板に貼ってある写真を見て、ジョージが「母が働いているアギオス・ニコラオスの町のカフェのオーナーだ」と言いました。
この人が亡くなったのは1年前だそう。
なのにまだ貼ってあるのは、ギリシャでは亡くなって40日目と1年目に儀式をするからなのだということでした。

日本でも49日とか3回忌とか、故人をしのぶ法事ありますものね。
ちょっと期待外れだったクリツァ村を出て、ツアーは標高が1150メートルというラシティ高原を目指しました。
見晴らしの良いスポットで、ヤギにトウモロコシをあげるひと時も。
さらに上ったところの岩場から景色を見渡しました。
ここにもヤギが。
ヤギが若い木の枝葉を食べるため、木の背丈が伸びないのだとジョージが言っていました。
ちなみに、オリーブの木が育つのは標高600メートルまでだそうです。
ここから渓谷の一部が見えたのですが、クレタ島には何でも、400もの渓谷があるのだとか。
そのうち、人が入れるのは半分ぐらいだという話でした。
空気が澄み渡っていて、のどかなムードに包まれていました。