人口: 約89.48万人
面積: 8,456平方km
行政区: 2県
「イタリアの緑の心臓」と呼ばれるウンブリアは、1500m以上の山が連なるアペニン山脈に囲まれた、自然豊かな州です。
聖フランチェスコで有名なアッジジを始め、ペルージャ、オルヴィエート、スポレートなどの魅力あふれる街が数々あります。
いろいろな自然の食材を産出するのに適した地形で、ブドウやワイン、オリーブの産地としても知られています。
季節によって様々な音楽フェスティバルや、民族衣装を着た人々が繰り出す伝統的な祭りが数多く開催されています。
魅力ある観光地として、近年よく雑誌でも取り上げられるウンブリア州。
特徴的な地形から生まれた広々とした美しい景観はもちろん、ローマへ続く道の中継地点として発展していった中世そのままの街並みなど、見どころがたくさんあります。
中世イタリアの代表的な守護聖人、聖フランチェスコの生まれた町。
標高1300mの斜面に広がるこの町には、風情ある家々が並び、また巡礼地として名高いフランチェスコ聖堂が存在します。
歴史あるゴシック様式やロマネスク様式の貴重な建造物や、ジョットによる”聖フランチェスコの生涯”のフレスコ画は中でも見逃せないスポットです。
年間を通して伝統的な行事が多く、時には市民が中世の衣装をまとい、歌ったり踊ったりと中世の気分を盛り上げますから、そこにいるだけで、中世の雰囲気が体験できます。
オルヴィエート・クラシッコの名で有名なワインの産地、オルヴィエートは、凝灰岩の上にそびえ立っており「世界一美しい丘上都市」と言われます。
その歴史は古く、古代ローマよりも以前のエトルリア時代にまで遡ります。
統治の繁栄を物語る中世の街並み、中でもゴシック建築の宝石と呼ばれるドゥオーモは最大の見どころ。
ローマから列車で1時間と比較的手軽に行ける場所なので、1日時間を作って、断崖絶壁から見下ろせる壮大な景色を味わいに行ってみてはいかがでしょうか。
ウンブリア州の州都であるペルージャは、13世紀に創設されたペルージア大学がある学生の街として有名です。
ここもエトルリア人が築いた町が起源となっており、現在も街の周囲をめぐる城壁や城門にエルトリア時代の見事な建築を見ることができます。
街のシンボルである「11月4日広場」はいつも人で賑わっていて、広場につながる「ヴァンヌッチ通り」もまた常に活気があります。
ウンブリア州で最も古い町といわれるスポレートの起源は遥か紀元前8年、この地に住んでいたウンブリ人にまで遡ります。
一番の見どころはやはり古代ウンブリアやローマ時代の雰囲気を色濃く残す旧市街の町並みと言えるでしょう。
落ち着いた色調の石造りの建造物は重厚な町の雰囲気を作り出し、古い町が好きな方にとっては宝物のような町です。
ウンブリア州の天候の特徴は、年によって同じ月でも気候がかなり異なる場合があること。
これは、アルプス山脈からの寒気団とアフリカからの湿気低気圧”シロッコ”に大きく影響されるためです。
12月に1~2月並みの寒気が押し寄せたり、11月や2月でも暖かかったりすることがあるので、事前の天気予報チェックが肝心です。
訪れる時期としては、日が長く、様々なイベントで町が活動的になる春から夏にかけて(4月後半~7月前半)がおすすめです。
グルメ目的ならば、ブドウやオリーブオイルの収穫期の秋(9月、10月)、トリュフや豚肉加工品が旬の冬場(11月~2月)が良いでしょう。
現在のウンブリア州の土地は先史時代、名前の由来にもなっているウンブリという原住民によって開拓されました。
その後エトルリア人、ローマ人と次々に支配者を変えていきますが、古代ローマ帝国崩壊後にはウンブリアの土地は東ゴート族と東ローマ帝国による抗争の戦場と化します。
その後、ランゴバルド人がスポレート公国を建立し、西暦571年から12世紀半ばまでの長い期間独立公国であり続けました。
カール大帝のランゴバルド領征服後、ウンブリアは教皇領となり、土地をさらに強固なものとして発展してきます。
18世紀にはフランス革命と、その後のフランスによるイタリア侵入の影響を受け、ウンブリア一帯は最初にローマ共和国の、さらにナポレオン帝国の一部となりました。
19世紀に入り、1860年から61年にかけて行われたイタリア統一運動の結果、イタリア王国に編入されて現在のウンブリア州となったのです。
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