【2019年2月】ポルトガルのリスボンでの月曜の午後、博物館なども閉まっているし、どうしようか、と迷っていたところ、たまたまLargo do Chiado広場で客待ちをしていたトゥクトゥクに目が留まりました。
町なかに、この手の乗り物がたくさん走っていることには気づいていました。
皆、観光用で、聞いてみたら、決まったルートが三つほど。
一時間で€60(7500円ほど)だそうです。
今回、夫の脚の故障があるので、これは便利、と急きょ乗ってみることにしました。
私達が選んだルートは旧市街を巡るもので、バイロ・アルト地区からコメルシオ広場に下りた後、カステロ地区に上って行きました。
ほぼ、28番のトラムのルートだったのではないかと思います。
小型車なので、小回りが利くのが強み。
途中、何やら大臣の車が通るから、と通行止めになっていた地区があったのですが、ぐるっと迂回して細い通りを回ってルートに戻ることができました。
最初に停まったのは、大聖堂。
イスラム勢力からキリスト教徒がリスボンを取り戻した直後の1147年に、モスクの跡地に建て始められ、1150年に完成したリスボン最古の教会です。
1755年の地震を経て、1930年代に慎重に修復され、今の姿になったそうです。
何しろ、トゥクトゥクを待たせてあるので、ささっと見て周っただけで終わりました。
それからサンタ・ルジア展望台から、眼下にアルファマ地区を眺めました。
アルファマ地区はリスボン市内で一番古いエリアで、イスラム世界のメディナのような迷路です。
前回はここを歩いて迷子になって楽しんだものですが、今回は上から眺めるだけで良しとしました。
この展望台にはポルトガルらしいアズレージョ(タイル)が施してあって、良い雰囲気です。
この後、さらに、セニョーラ・ド・モンテ展望台へ。
この辺りでは一番高い地点で、リスボン市が広く見渡せました。
ここを最後に、後は下って、途中、パンテオンの脇を通ってコメルシオ広場に戻っておしまい。
ぐるっと巡って分かったことは、前回のリスボン訪問の際、我々は主要な見どころをちゃんと網羅していたのだな、ということ。
いずれも、二度目のところばかりでした。
今回、見どころ以上に面白かったのは、この運転手の話。
彼はバングラデシュ人。
朝の10時から客待ちをして、ようやく私達が最初の客だったそうです。
このリスボンのトゥクトゥク観光、始まったのは2012年ですが、爆発的に急増したのが二年前。
市内に1200台が走っているそうです。
6~8月は観光客が最多ですが、トゥクトゥクも総動員されるので、どの月も競争が激しいとのこと。
この運転手は、リスボンに来て3年。
その前はロンドンに6年半住んでいたそうです。
「リスボンの方がいい?」と尋ねたら、「稼ぐにはロンドンの方が良かったですけれど・・・」と語尾を濁していました。
リスボンには5000人のバングラデシュ人がいるのだそうです。
「でも多いのはブラジル人で、8万人もいるんですよ」と言っていました。
名前を聞き取れなかったこの運転手、趣味が写真だそうで、私達の写真を良い角度で撮ってくれただけでなく、自分の写真も見せてくれました。
競争に負けず、頑張ってほしいものです。