南ティロル自由党、学童に地図を配布し物議

【2017年8月】オーストリアと国境を接するイタリアの南ティロル自治州で、イタリアからの分離を求める南ティロル自由党が同自治州をオーストリア領とする地図を学童に配布し、物議をかもしている。イタリアではアルト・アディジェと呼ばれる同自治州では、イタリア語とドイツ語が公用語とされ、ドイツ語を母国語とする住民が過半数を占めている。

この地図は、南ティロル自由党がオーストリア内のティロル州とイタリアの南ティロル自治州の学童を対象に作成した140ページの冊子の中に含まれている。同政党によると、冊子は「ティロル全体における歴史、文化、地理、政治、社会を語ったもの」だとのこと。エヴァ・クロッツ党首は「二か国語が公用語であるにもかかわらず、ドイツ語を話さない警官が多く、イタリア語を強要される。これは人種差別に当たる」と鼻息が荒い。

これに対し、イタリアのメディアは「挑発だ」と非難を強めている。イタリア政府の統計によると、アルト・アディジェの人口の69.4%がドイツ語を第一言語としているという。

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