【2018年9月】新潟県の村上では、海に面した旅館、大観荘せなみの湯に泊まりました。
ネット情報によると、瀬波温泉は、1904年に開湯した歴史のある温泉で、95度前後の高い湯温と豊富な湯量が誇りなのだそうです。
何でも、歌人の与謝野晶子がたった二泊のうちに、45首も歌を書いたとか。
確かに、歌人なら歌、詩人なら詩、画家なら絵をかきたくなるだろうと思われる夕陽の風景でした。
ちょっと張り込んで、露天風呂付きの部屋にしたので、お湯に浸かりながら海を眺めることができました。
お風呂が部屋についていると、夜中でも早朝でも、気軽にどぼんと浸かれるのが強みですよね。
夕食は部屋食だったので、のんびりと、食べきれないほどのご馳走を食べました。
面白かったのは、小鉢、焼き物、メインが選べる方式で、私達はメインに昼間に味を占めた村上牛のしゃぶしゃぶを選びました。
ズワイガニの切り身というのもあり、これまたとても美味しかったです。
また、ご飯は目の前で炊く形で、確かにふかふかで、お櫃に入って出されるものより美味しい気がしました。
このプランは、地酒がすでに含まれているものだったので、お酒も楽しめました。
さて、翌日は、村上の伝統工芸として名高い木彫り工芸の堆朱を見学。
まずは工芸館に行き、展示販売をしている一階であれこれ見ていたら、おばさんが少し説明してくれました。
赤い物が基本ですが、黒いのもあり、赤の上に焦げ茶の漆を塗って彫ったもの、様々な色を塗った上に黒を塗り、その上から彫ることで色を出すやり方等々、6種類の製作方法があるのだそうです。
基本的な工程に一ヶ月は要するという話でした。
とても手の込んだ工芸なので、お値段も高く、おいそれとは手が出ません。
一緒に行った長岡市出身の友達が「昔、うちにごろごろあったのに、こんな高価な物と知らずに失くしてしまった」と言っていました。
かつて、よく引き出物に使われたそうです。
村上だけで作られていて、ここだけで売っているものなのだとか。
ここの二階で若い人が二人、フルタイムで訓練中でした。
日を分けて、彫りと塗りを学ぶのだそうで、この日は彫っていました。
堆朱は彫る人と塗る人の分業で作るものなのだそうで、現在、プロとしてやっているのは、彫りと塗りがそれぞれ7~8人だそうです。
勉強した後、すぐには独り立ちできないので、組合が支援するのだ、と先生のおじさんが教えてくれました。
その後、三軒、お店を見て回りました。
素晴らしい豪華な彫りが入ったA4サイズの箱にものすごく惹かれたのですが、お値段は40万円。
セールになっていたちっちゃい手鏡を記念に買い、「お金持ちになったら戻ってきますね」と言って店を出たことでした。