【2023年9月】スコットランドのヘブリディーズ諸島に属するバラ島で泊まったカッスルベイ・ホテルは、チェックアウト時間が10時半と日本の旅館並みの早さでした。
しかも、11~18時は閉まると書いてあります。
8時半からイギリスならではのベーコンやブラックプディングなども含まれた重たい朝食の後、荷物を置いておけるか尋ねたら、「ラウンジに置いておいて」とお気楽な返事。
逃げどころのない安全な島だからでしょうね。
1泊の宿泊代、夕食代、ウイスキーで£207(円安なので4万円近くに相当)でした。
グラスゴーに戻るフライトは午後3時55分発なので、時間はたっぷりあります。
タクシーでぐるっと島めぐりはしてしまったし、今にも降り出しそうな天気だし、時間を持て余したのですが、とりあえず、辺りを散歩することに。
湾に浮かぶキシマル城を右手に見ながら、湾をぐるっと歩きました。
このキシマル城は、伝説によるとスコットランドの氏族、マクニール家の11世紀から拠点だそうですが、文献に残っているのは16世紀以降のことだそうです。
夏場は観光客向けの舟でお城に渡れるそうですが、9月末のこの時期には、そのサービスは終わっていました。
前日と同様、「世界の終わり」を感じつつ、荒涼とした景色を楽しみながら歩いていたら、柵に行き当たりました。
門があって通過できるようになっているのですが、その向こうに白い馬がたむろしています。
通ったものか躊躇していたら、車が来て停まり、おばさんが出てきました。
彼女は「ポニーに餌をやりに来たのよ。餌の時間だから、今は入らないほうがいいわよ」と言い、バケツで餌をやりました。
3頭いるうちの2頭がオス。
うち1頭は父親で30歳。
もう1頭の若者が、あちこちの種馬になっているのだそうです。
この馬は「イーリスキー・ポニー」という種で、おばさんによると、絶滅の危機にあるとのこと。
イーリスキー島という近所の島の出身(?)だそうです。
「ジャイアント・パンダより数が少ないのよ」とおばさん。
ピート(泥炭)を運ぶのに使われていたポニーで、おとなしいので、子供たちの乗馬に良いという話でした。
たまたま行き会った馬とおばさんのおかげで、一つ賢くなりました。
以前、英国南西部のダートムーアで野生のポニーに出会ったことがありますが、こちらは色白なので余計に目を引きます。
そして、イタリアのアジナーラ島で見た白いロバを思い出しました。
おばさんが行ってしまった後、馬が食べ終わるのをしばらく待ちましたが、終わりそうにないので、引き返し、ぶらぶらと写真を撮りながら散歩を続けたのでした。