【2019年7月】私達のガイドブックによると、カナダのモントリオールにあるマルシェ・ボンスクールには、ケベック州で作られた工芸品やアクセサリーなどを売る店が入っているということだったので、行ってみました。
銀色のドームが目立つ大きな建物で、建てられたのは1847年。
1852~78年にはモントリオールの市役所だったほか、国会議事堂が火事で使えなくなった時には、ここで国会が開かれたこともあるそうです。
その後、農産物市場やコンサートホールにもなったとか。
今は、小ぎれいなショッピングモールになっています。
ここを出た後、隣の教会に入ってみました。
ノートルダム・ド・ボンスクール教会という名前で、マルグリット・ブールジョワという聖人が創設した教会です。
航海に出た船乗りたちが、旅の安全を願い、無事に戻れた際に、船の形をした灯明を収めた教会だそうで、教会内に船の模型がぶら下がっていました。
以前、デンマークでも同様の教会を見たことがあります。
教会にはブールジョワのお墓があったほか、彼女の生涯を説明する博物館(12カナダドル≒980円)が付随していました。
いきさつは知りませんが、日本語の説明が壁に掲げられていました。
それによると、ブールジョワは20歳の時に聖母マリアからの強い呼びかけを受けたとのこと。
1653年に、当時ヌーベルフランスと呼ばれたカナダにフランスから渡る船中にいる時から、人々を慰め励ましていた「愛の人」であった上、困難にひるまず、必要とあればどこへでも旅した「行動の人」、そして王族の娘から原住民の子供たちまで、分け隔てなく教育にいそしんだ「未来の人」だったそうです。
開かれた新しいタイプの修道会であるコングレガシオン・ド・ノートルダムを創設し、その修道女らとともに、活動を続けました。
この修道会は今も活動しており、日本をはじめ、世界8カ国に拠点があるそうです。
ブールジョワの生涯が小さい人形で表されている棚がある部屋がありました。
全部で60弱の場面があり、小さい子供でも親しめるようにとの工夫なのでしょうが、とても面白かったです。
カナダの基礎作りは、こういった熱心な修道女によるところが大きいようです。
生涯を教育に捧げたもう一人の修道女、マリー・ド・レンカルナシオンについて、ケベック・シティーで数日前に学んだばかりでした。
この教会では他に、紙人形の展示会が催されていたほか、地下聖堂には2000年前に古代の遺物がありました。
それから塔の上に上れるようになっていて、そこからの眺めは上々。
ふらっと入った教会でしたが、とても良い体験ができました。