【2016年5月】フランスのガロンヌ川を下る旅、船を降りてまず、メドック要塞を見学しました。17世紀の要塞で、世界遺産にもなっているヴォ―バン防衛施設群の一つ。ヴォ―バンというのは、太陽王ルイ14世に仕えた軍人で、要塞作りの名人です。最大で幅が3キロ以上ある河口を英国の侵入から守るために、この辺に三つの要塞を築いたそうです。私達は、のどかな田舎にいくつか残っている建物をさらっと見ただけで、今一つ、身に迫るものは感じられませんでしたが。
英国からの侵入、とガイドさんが言っていましたが、14~15世紀の100年戦争でフランスに軍配が上がるまでこの地方は長く、イングランド領だったそうです。イングランド傘下でワイン産業が優遇されていたため、ボルドーが陥落してフランス領となったことを地元の人は嘆き悲しんだとのこと。その関係でしょうか、ガロンヌ川に合流するドルドーニュ川付近には、たくさんの英国人が老後を過ごしています。
100年戦争よりさらにさかのぼると、1066年には「ノルマン・コンクエスト」がありました。つまり、フランスのノルマン人がイングランドを占領し、王国を築いたわけですから、たどってみれば、100年戦争はフランス人同士の戦いだったということでしょうかね。そして今、英国はフランスを含む欧州連合からの離脱を決め、自分たちは欧州人ではないと言い張っています。バカな話ですね。