【2022年8月】イタリアのシチリア島の歴史的な町、シラクサに滞在し始めて1週間がたった頃、無料のウォーキングツアーに参加しました。
本当は、こうしたツアーには旅先に着いた早々に参加する方が有意義なのですが。
実際、ガイドさんも「1週間もいるんだったら、殆ど全部見てしまったでしょう」と困った顔をしていました。
とは言え、結果的に、学ぶことも多く、楽しいひと時でした。
暑い盛りを過ぎた5時半に、オルティージャ島のギリシャ神殿前に集合。
11人の申し込みがあったそうですが、実際に来たのは我々を含めて6人。
これは英語によるツアーで、ガイドさんは、ウィーン出身のエヴァというお婆さんでした。
夫が「間違ってシチリア人と結婚しちゃった人だろう」と言っていました(どういう意味?)。
まずは集合場所のギリシャ神殿から。
一般人は入れなかった神殿ですが、東側の入口から差し込む光のおかげで、人々は神殿の中の様子も見られたとのこと。
今残っているものとしては珍しい、1つの石でできた柱があるそうです。
Piazza Archimede で、またもアレトゥーザの物語を聞きました。
ここにある噴水は、その物語を表していて、真ん中がアレトゥーザが仕えていたアルテミス、右側の女性がアレトゥーザで、左側がアルペイオスです。
この噴水は目抜き通りのCorsa Matteotti にお尻を向けているのですが、なぜかというと、通りの方が後にできたため。
このマッテオッティ通りはファシズム時代の産物だそうです。
それから、シチリア中で見られる瀬戸物でできた男女に顔について。
サラセンの王子とキリスト教徒の王女が恋に落ち、駆け落ちしましたが見つかって、首をはねられました。
その首を埋めたところから、花が咲き誇ったという謂れがあるそうです。
ドゥオーモでは、この日も結婚式が開催されていました。
エヴァによると、ドゥオーモでの結婚の予約は2年前からしないと取れないそうですが、コロナ危機下で式ができなかったため、今、最高に忙しいそうです。
2年も前から結婚式の予約だなんて、その間に気が変わるカップルも多いでしょうに。
石灰岩でできているドゥオーモの建物の説明や、ドゥオーモ広場を囲む歴史的な建造物の説明を聞いた後に行ったのは、元ユダヤ人街にある教会。
名前を失念しましたが、遺跡の中の半屋外教会で、もともとはシナゴーグだったと考えられているとのことです。
というのも、この教会に入るには、階段を数段、上るのではなく下りる形。
エヴァの話だと、シナゴーグは天井の高さが決まっていて、その高さを得るために低い所から作られたのだとか。
2年前に行ったサルディニアのアルゲーロもそうでしたが、15世紀、この地はスペイン傘下にあり、スペインが1492年にキリスト教徒以外を全て排斥したため、シラクサからもユダヤ人が姿を消したとのことです。
ツアーはその後、海辺に出て、お城を遠目に見た後、最後はアレトゥーザの泉でした。
ちょうど、素晴らしい夕焼けが見える時間。
エヴァの説明もそっちのけで、小さい舟がシルエットとなって映る美しい景色の写真を撮りまくりました。
エヴァは、特にココロに残る言葉を残したガイドさんではありませんでしたが、感じの良い人だったので、チップとして、二人で€20(2900円ほど)あげました。
かなり年配なのに、元気に頑張って仕事をしている様子に好感が持てましたし。
夫はよく、若い人が頑張っていると応援したくなると言いますが、私はお年寄りで頑張っている人の方に惹かれます。
自分がそちらの年代に近いからでしょうかね。