【2007年9月】フランスのコルシカ島でのウォーキング・ツアーに参加しながら、けっこう、独自の動きを展開した私ですが、この日も群れから離れて、別のバスツアーに参加し、島の中央にあるコルテという町を目指しました。
ウォーキング・ツアーの面々も年配者が多かったのですが、このバスツアー参加者もしかり。
コルシカ島はお年寄りに人気なのでしょうか。
滞在していたカルヴィから海沿いをしばらく行って、それから内陸の山岳地帯にどんどん上って行きました。
こういうツアーに参加すると、ガイドさんが歴史など説明してくれて、コルシカがどういう所が少し分かりました。
コルテに行き着くまでに、岩山に張り付いたような小さな村々が車窓からいくつも見えました。
そういう所の家々は窓が小さく長方形で、階数はけっこう有りそう。
ガイドさんの話によると、この辺りの人々は貧しく、伝統的に、ジェネレーション毎に家の階数を増やしたとのこと。
それぞれの階は独立した住居ではあるそうですが、嫁いだ女性は、早く夫が死んでも、その家から出られず、牢屋のようなものだったという話でした。
目的地のコルテではゆっくり時間がありました。
コルテは、コルシカ島が1755~69年、コルシカ共和国という独立国家だった時代の首都だそうです。
ガイドさんの説明によると、長く続いたジェノヴァの統治は緩やかなものでしたが、18世紀半ばの飢饉のせいで、年貢が収められなくなったのを受けて、独立運動が盛んになったとのこと。
独立運動の立役者はパスカル・パオリという人で、町の広場に像があります。
コルシカというと、世界的にはナポレオンが有名ですが、地元では、このパオリの方がずっと人気があるとか。
パオリはコルテに大学を築いたほか、コルシカの旗を制定しました。
鉢巻をしたムーア人の頭が描かれている旗です。
コルシカの南にあるイタリアのサルディニア島の旗は、赤い十字の中にこの頭が四つ描かれていて、よく似ています。
サルディニアでは、ジェノヴァがムーア人を制したことを表した旗なのですが、コルシカでは、このパオリがその昔からあったモチーフを正式に国家の旗やコインに採用したのだそうです。
なので、描かれているのはムーア人ですが、鉢巻の具合も相まって、何やら、独立運動の闘士の像といった雰囲気が伴います。
ガイドブックにもありましたが、コルテのシタデルは岩からにょきにょき生えたかのような光景。
下から見上げる光景も良し、上から見渡す景色も良いなかなか風光明媚なところでした。
シタデル内にある元軍用病院がコルシカ博物館になっていて、歴史的なコルシカの暮らしについての展示がなされていました。
お昼には適当なレストランに入ってビールと魚介類のフライ。
あまり一人旅の人がいない所だし、ガイジンなので、好奇の目で見られた気はしますが、特に気になりませんでした。
ツアーはこの後、Vallee de la Restonicaという渓谷へ。
きれいな川が流れていて気持ち良かったですが、特に見る物があるわけではありませんでした。
野生の豚(?)が闊歩しているのが見えました。