【2010年9月】ハンガリーのブダペストの素敵なホテルで一息ついた後、地下鉄で、町を流れるドナウ川へ向かいました。
というか、向かおうとしたところ、地下鉄駅で早くも迷いました。
言葉が通じず、困っていたところ、一般乗客が助け舟を出してくれました。
ところが、彼女のアドバイスに従ったところ、どうも、違う気がして、じーっと地図を眺めます。
やっぱり逆。
乗りなおして、中心へ向かい、デアク・テールという名の地下鉄駅で下車。
この駅名には馴染みがあります。
というのも、私がこの町に来たのはこれで、4回目。
初めての夫を案内するのは私の役目です。
町歩きに出かける前に、ホテルで「2日間地下鉄乗り放題・ドナウの遊覧船1回付」という切符を購入してあったので、迷っても気が楽でした。
とりあえず、その遊覧船に乗ってみようということで、尋ね尋ね乗り場へ。
乗り場は、以前に1度泊ったことのあるマリオットホテルの目の前にありました。
船旅は、ドリンクおよびマーガレット島の1時間のツアー付きでなかなか快適。
天気も良かったですし。
私は4回目の割には、この遊覧船は初めてで、川から街を眺めるのも良い体験でした。
ブダペストの象徴的な建物、国会議事堂も船からよく見えました。
ちなみに私が最初にこの町を訪れた時には、国会議事堂のてっぺんに赤い星がついていました。
確か、1989年で、ぎりぎりまだ社会主義国でしたから。
この遊覧船、唯一残念だったのは、各国語で聞ける録音された音声ガイド。
ブダペストの成り立ちを人格化し、ブダとペストが掛け合いで歴史を伝えてくれるというそのアイデアは素晴らしかったのですが、役者が素人で、ほとんど棒読み。
聞いていて恥ずかしいほどでした。
イタリア語で聞いていた夫も、同じことを言っていました。
マーガレット島に着くと、乗務員の一人が私達を引き連れて、島を案内します。
これはオプショナルで、船に乗ったまま引き返してもかまいません。
降りようとしていた時、イタリア語で「え?おまえ、また降りるの? 昨日も行ったじゃないか」という声が聞こえました。
彼ら、二日続けて、この遊覧船に乗っていたのですねー。
ガイドさんによると、この島には住民はおらず、もっぱらブダペスト市民の憩いの場。
ホテル、公園、プール、野外劇場などがあるのだそうです。
なぜ「マーガレット」なのかというと、その所以は13世紀のモンゴル襲来に遡ります。
その頃の王様、ベラ4世が「モンゴルが立ち去ったら、これから生まれる子供を神に捧げます」と誓ったせいで、生まれた娘、マーガレットは9歳で、島の尼僧院に入れられました。
そして、29歳で死ぬまで、ここを離れられなかったのだそうです。
この島はまた、ウサギ狩りで栄えたこともあったといい、ウサギ島と呼ばれることも。
30分ほど、そういった説明を聞いた後、自由時間になりました。
ウォータータワーと呼ばれる塔に上って、あたりを見渡してみました。
景色も良かったのですが、この塔そのものの造りが何ともレトロで、可愛かったです。