【2010年4月】キューバ旅行の続きです。
翌日は、バラデーロの現実離れした海を後にして、旅の始まりのハバナへ移動しました。
今回、迎えに来てくれたタクシーの運転手は、巨大な黒人男性で、凄みがありました。
その上、全くの無言で、ますます怖く、夫と顔を見合わせたほど。
ただ、彼がかけていた音楽がサルサ尽くめで、楽しくはあったのですが。
このハバナでの晩が、この旅行の最後の夜。
泊ったホテルは、その昔、アル・カポネやグレアム・グリーンも泊ったことがあるという歴史を背負ったセビリア・ホテルです。
一種、観光名所にもなっていて、ガイドブックが薦めているウォーキングツアーの中にも組み込まれています。
ロビー階はとても立派で、スペインのムデハル様式風の趣がありましたが、部屋は簡素でくたびれていました。
古さが感じられ味があるといえば、そのとおりですが。
翌朝、早朝にバスルームのドアが開かなくなっため、服を着替えて助けを求めなければなりませんでした。
私達はかなり慌てましたが、ホテルのスタッフは、よくある話、といった感じで対応してくれました。
ロビー階のカフェは、中庭になっていて、生演奏があって良い感じでした。
ホテルに荷物を置いて、さっそくハバナの町歩きに出かけました。
まずはタクシーでHabana Viejaと呼ばれる旧市街へ。
ちなみに、キューバに着いて最初に泊まったフロリダホテルは旧市街、セビリアホテルはCentro Habana のほうにあります。
ガイドブックに載っているウォーキング・ツアーの道順どおりに歩こうと出かけたのでしたが、まず、タクシーで降ろされた場所が違っていたし、人に尋ねて行った先も間違っていたため、思うようにはいきませんでした。
最初、間違った場所だと知らずに、そこにあった教会を大聖堂だと思って見学。
後で、サン・フランシスコ・デ・アシスという教会だと判明しました。
17世紀初めに建てられ、18世紀初めに改築された教会で、中庭のきれいな立派な建物。
屋上に出られ、港のある辺りの景色を眺めました。
ハバナ旧市街は、どの方向を向いても写真を撮りたくなるフォトジェニックな町です。
ハバナにいた時間は短かったのですが、写真の数はダントツです。
道に迷って疲れた局面で、地ビールを醸造しているというカフェで一休み。
確か、Plaza de Armas に面したお店でした。
ここのバンドの歌手のおじさんが、それぞれのツーリストの国名を入れて歌い上げ、みんなからチップを弾まれていました。
そうなのです。
この国はチップ大国で、払うのが常識になっています。
しかも我々ツーリストが使うペソはCUCと表示され、地元民のペソの25倍。
このため、旅行者にとって物価は英国などとほとんど変わらず、散財を強いられることになります。
貧しい国なんだから仕方がないと私は思いましたが。
ただ、このハバナ旧市街はツーリストから何が何でもお金を搾り取ろうとするいやな風習が出来上がっているようでした。
例えば、民族衣装を着てポーズをとる老女がモデル代を要求したり(よく似た人々が2017年に行ったコロンビアのカルタヘナにもいました)、妙にフレンドリーなカップルが近づいてきて「明日から日本に行くんだ」なんてうそをついてカフェに誘ったり。
オートバイが丸っこく包まれたココタクシーという乗り物に乗った時には、楽しかったのは良いのですが、降りる段になって、つり銭がないと主張され、倍の値段を払うことになったりもしました。
そんなこんなで、これまでの道中には感じる必要のなかった緊張を感じました。
最終的に、大聖堂のある広場にも辿り着いたのですが、大聖堂は閉まっていて入れず。
でも,ここもまた、ピンクの花が咲き乱れていて美しく、素敵な被写体でした。