【2022年9月】イタリアのシチリア島、シラクサでの夏休み、最終日には見残していたカタコンベを見に行きました。
これはオルティージャ島ではなく、シチリア本土の方にあるBasilica di San Giovanni という教会跡の地下にあります。
この教会は、白い壁にきれいな丸いバラ窓の枠組みが残っていて、印象的です。
ガイドブックによると、シラクサの最初の司祭、聖マルシャンに捧げられていて、17世紀には大聖堂として機能していた教会だとのこと。
教会跡と書きましたが、屋外に椅子が並べられてあったので、今も使われているのかもしれません。
このカタコンベは、ツアーでのみ見られるとガイドブックに書いてあったので、その時間割を調べるために夫があちらこちらに電話しましたが、なかなか情報が得られませんでした。
分かったのはオープン時刻が9時半だということ。
とりあえず行ってみようということで出かけ、現地に着いたのは11時半前。
次のツアーは12時10分とのことだったので、待つことにしました。
ツアーのお値段は一人€10(1400円弱)。
結局かなりの大人数のツアーで、30人ぐらいはいたようです。
ガイドさんは、イタリア語と、訛りの強い英語で説明してくれました。
カタコンベに入る時には皆、黄色いヘルメットをかぶり、配られたマスクをします。
ちなみに、使ったヘルメットは後で、係の人がシュシュっと消毒していました。
中に下りてみて、びっくり。
1万人ぐらいが埋められていたという大規模な墓地で、ちょっとした地下街のようです。
こんなのは初めてみました。
迷路のようなので、これは確かにツアーで案内されないと、迷子になって生き埋めになるかも。
中は写真不可で非常に残念でした。
この墓地は、紀元4世紀ごろのものなのだとか。
パリのカタコンベや、あちらこちらにある骨のチャペルとは違って、遺体は残っておらず、壁に墓として使われた穴が残っています。
アーチ形に壁をくりぬいて作った墓には1人用や2人用があるほか、最高で30人が埋められていた多数用があります。
壁に簡単な穴をあけたものは貧乏人、または子供の墓だそうです。
いくつかは、フレスコ画の名残や、美しい彫刻があるものも。
19世紀末から調査が始まったということですが、それで分かったのは、同じ墓が二度使われた形跡があること。
というのも一つのフレスコ画の下に、もう一つ別の絵が描かれているのが見つかったそうです。
ここは、第二次大戦中には、防空壕として使われていたという話でした。
シラクサには他にも、こうしたカタコンベが2か所、あるそうです。
ところで、ここに来る途中、石膏の聖母マリア像が涙を流したために建てられたという1994年に完成した新しい教会、Madonna delle Lacrime の脇を通りました。
ソフトクリームのコーンをさかさまにしたような奇抜なデザインです。
オルティージャ島のウォーキングツアーのガイドさんが入る価値がないようなことを言っていたので、入りませんでしたが、これも将来は名所になるのでしょうねー。