石林でサニ族の人々と交流

石林でサニ族の人々と交流

【1996年8月】中国の石林を観光した後、約束通り、案内してくれたサニ族の人々の村へ移動しました

歌ってくれたおばさんの家が、小さな雑貨屋でした。

通された土間の奥の方にはベッドやぬいぐるみが置いてあり、場違いに立派なテレビもあります。

土間に小さい椅子を並べ、我々も腰かけます。

中国 石林 サニ族 弦楽器 おばさん
弦楽器を奏でるおばさん

まず、ヒマワリの種とガラスのコップに葉っぱが入っているお茶を振る舞われました。

おばさんの夫が水タバコをふかしていて、それをトライさせてもらったり、おばさんが3本の弦を弓で奏でる楽器を弾いてみせてくれたり。

名前を教えあって正式に自己紹介などした後、ようやく、目的の物売りが始まりました。

彼らの特産物は刺繍です

手の込んだ刺繍のテーブルクロス、クッション、リュック、財布等々。

お値段は結構、張ります。

中にとても細かい刺繍の布があって、とても惹かれましたが、一枚500元だというので諦め、代わりに、使えそうなクッションカバーとリュックを全部で270元で買いました。

すると、私達の買い物に気をよくしたのか、夕食を食べて行きなさい、と言い出しました。

これはまたとない体験です。

中国 石林 サニ族 水タバコ おじさん おばさん
竹筒の水タバコ

ありがたくお受けしたら、低いテーブルを持ってきて、その上に野菜炒め、冷ややっこに似た物、味噌のような味の豆腐、瓜の類、堅ゆで卵を三日月状に切って殻を付けたまま並べたもの、ソーセージが並びました。

お椀にごはんを盛り、その上にこれらのおかずを乗せて食べます。

日本酒とは異なるお米のお酒もすすめられました。

お客向けに用意した食事というより、たまたま夕食時だったので、いつも食べるものを一緒にどうぞ、という雰囲気でした。

テーブルを囲んだのは伯母さん夫妻と、その息子夫妻と私達。

若いカップルは新婚さんのようでした。

日本語を話す女性はこの場にはいなかったので、手振り身振りで会話にならない会話をしながら、非常に面白いひと時を過ごしました。

立派なテレビでは、盧溝橋事件かと思われる史実を題材としたドラマがやっていて、日本兵も出ていましたが、おそらく悪者役なのでしょう。

中国 石林 サニ族 刺繍
200元で買った細かい手作業の刺繍

食後に、日本語を話す女性が戻ってきて、500元だという例の細かい刺繍の布を「友達だから、200元にします」というので、買いました。

相手の罠にかかって高い買い物をさせられた良いカモだったかもしれませんが、私にとってはお金には代えられない貴重な体験。

刺繍を売るのは彼らの収入源ですから、しっかりビジネスはしますが、残りのサービスは、旅人を歓待するという彼らの人間としての懐の深さを示すものだったと思います。

面白いことが盛りだくさんの中国旅行でしたが、その中でもトップ5に入る心に残る経験でした。