「念のため」

「念のため」

【2016年1月】アルゼンチンの大統領府「ピンクハウス」は、5月広場に面しています。

名前は独立運動のきっかけとなった1810年の5月革命に由来しているそうです。

写真にある白い塔は「5月のピラミッド」と呼ばれ、革命一周年を記念して1811年に建てられたとのこと。

この広場は現在、デモ行進の中心として使われるそうです。

それで、念のため、常にバリケードと機動隊が控えています。

あまり美しい光景ではありませんが。

ここはまた、「5月広場の母たち」の活動の場でもあります。

1970年半ばにクーデターで権力を掌握したホルヘ・ビデラ将軍が人権活動家など少しでも左派とみられる人々を拉致し抹殺。

いなくなった人々の母親が息子、娘の写真を掲げて、三々五々、広場を歩き始めました。

当時、集会やデモは禁じられていたので、無言でただただ歩いたそうです。

彼女らが被っていたスカーフの柄がその地面に記されていました。

この活動は今でも続いていて、すでに祖母になった母たちが、今も毎週木曜日の午後3時半に写真を持って歩いているそうです。

ちなみにビデラ将軍は終身刑を受けて、牢獄で死亡したそうです。