【2017年12月】茨城県への家族旅行、二晩目は大洗海岸に面した大洗ホテルに泊まりました。
このホテルのサイトを見ると、部屋のタイプが12種類あるということですが、私達の部屋は小粒。
窓からの海の景色は素晴らしかったですけれど。
部屋に泊まりながら、初日の出が見られるというのが売りで、大晦日に部屋を取るのは至難の業なのだそうです。
私達が泊まったのは、その一日前だったのですが、すでに大混雑。
一番がっかりしたのは、夕食が半バイキング形式だったこと。
呼び物のアンコウ鍋はテーブルに運ばれましたが、その他もろもろ、自分で取ってこなくてはなりませんでした。
どんなに上等の美味しい料理が並んでいたとしても、バイキングだと皆、まずく感じます。
ただ、このホテルに泊まって良かったと思えたのは、「あんこうの吊るし切り」というショーです。
入口近くのロビーで、アンコウを吊り下げて捌く様子を見せるパフォーマンスで、何と、1999年11月から続いているイベントなのだそうです。
始まる30分ぐらい前から前の方のソファに陣取って構えました。
このホテルの料理長が、アンコウの生態をいろいろ説明しながら切っていきます。
アンコウはぬるっ、ふにゃっとしているので、まな板の上で切りにくいのだとか。
それで、こうやって顎にフックを通して吊るして切るのですって。
アンコウは賢い魚で、目の上あたりから出ている釣り糸のような細い突起の先に白っぽい部分があり、それをひらひらさせて小魚かと思わせ、まちがって寄ってきた魚を丸呑みにします。
ぎざぎざの歯が付いた大きな口のすぐ下にある胃の入口にも歯があり、いったん入った魚が出て行かないように塞ぐのだそうです。
普段、アンコウは海底にへばりついていて、「赤ちゃんの手のような」(料理長)ヒレで這って動きます。
このヒレには、ちゃんと5本の指のような仕切りがあるそうです。
ヌノと呼ぶ卵巣は薄い膜のようなもので、その表面にびっしりと卵がくっついていました。
この日のアンコウの体重は、14.0キロ。
このくらいに育ったアンコウはすべて雌だそうです。
雄は育っても約30センチ止まりで、雌にくっついて生活するのだとか。
そして時々、雌に食べられてしまうのだそうです。
出場した時には、まるぼちゃっとしたアンコウでしたが、最後には無残にも口と目と骨だけの姿に。
肉や肝は我々の夕食となったのでしょう。
とても興味深いショーでした。