【2023年1月】スペインのカスティーリャ・イ・レオン州にあるアビラは、保存状態の良い中世の城壁とともに、聖テレサでも有名です。
特にキリスト教の世界では。
聖テレサは1515年にこの町で生まれ、19歳の時に、パレスティナで12世紀に起こったカルメル会の修道院に入ります。
病気の修道女の世話係となりながら修行するうち、1560年に地獄の幻を見たのをきっかけに使命感を持つようになったとか。
そして、修道院内で規則が長い間に緩んでいることに不満を持ちます。
それで、元来の非常に貧しく、厳しい祈りと苦行を中心とした「跣足(裸足という意味)カルメル会」を発足させ、スペイン国内に17の修道院を築いたそうです。
全て修道女のための尼僧院だったわけですが、この動きがスペイン国外や、男性の修道士にも広がったということです。
テレサ本人は1582年に亡くなりましたが、その後、1622年に聖人として承認されました。
アビラには、この聖テレサを祀った教会、遺品の部屋、博物館の三つの施設から成る見どころがあります。
ガイドブックによると、1636年に、彼女が生まれた部屋の周りに建てられたものだとか。
質実剛健をモットーとしたという割には豪華な教会の一角には、生誕の部屋がありました。
それから、遺品の部屋(写真厳禁)には、テレサの右の薬指をはじめ、彼女が使った鞭、杖、サンダルの底、衣服の一部などが陳列されていました。
ガイドブックによると、独裁者フランコが統治している間、ずっと、テレサの薬指をベッドの脇に置いていたと言われているのだそうです。
不気味ですねー。
この部屋の解説には、日本語も含まれていました。
信者がはるばるやって来るのでしょう。
別棟の博物館は、ワインセラーのような建物。
ここには、テレサが修道院内で過ごした部屋のレプリカなどがありました。
こちらも写真不可でしたが、結構、絵になる空間でしたので、携帯で数枚、こっそり撮りました。
アビラでの観光はこれでおしまい。
軽く昼食を食べた後の2時過ぎには、教会も博物館も店も閉まってしまい、列車の時刻までは、ただただ町を歩き回りました。
途中、Plaza del Mercado Chico という11世紀に起源を持つ広場に出ました。
かなりにぎわっていた広場で、市役所もここにあります。
この一角に、Yamas de Avila というこの町特産のお菓子を売っている店がありました。
実は小さい箱を一箱買ったのですが、食べることなく賞味期限が来てしまい、結局、味わわなかったのです。
おそらく、私達がエシハで買ったような、極端に甘いお菓子だったのではないかと思います。