【2021年12月】ポルトガルのリスボン滞在の二日目の目玉は、アズレージョ博物館でした。
私達のガイドブックに「アズレージョ博物館のタイルを見るまでは、リスボンに行ったとは言えない」と書いてあったので、行かないわけにはいきません。
結果的に、このガイドブックの表現は大げさだと思いましたが。
アズレージョとは、ポルトガルの伝統的なタイルのことで、国中のあちらこちらで使われているのが見られます。
このアズレージョ博物館はリスボンの町の果てにあります。
私達の宿はバイロ・アルトというレストランなどが多い地区のすぐ西側に位置していて、テージョ川をかなり遡った所にあるこの博物館への行き方が難しそうだったので、タクシーを使うことにしました。
ポルトガルは、タクシーの値段が安いので助かります。
アズレージョ博物館は、荘厳な16世紀の修道院跡の中に入っています。
入館料は一人10ユーロでした。
アズレージョの歴史的変遷が如実に見られるようになっています。
イスラム世界の幾何学模様から白地に青の絵を描くようになっていくわけですが、夫が言うように幾何学模様の方が強い印象を残しました。
白青の陶器の絵画の方は、絵として見ると何か稚拙でぱっとしません。
これが実際の建物に施されていると目を見張るのですが、切り取られた絵画としては、それほど魅力的に感じられませんでした。
色付きのタイルもあったのですが、ひと月前にスペインのオスナの修道院で見たタイルを思い出しました。
修道院跡なので、バロック様式のチャペルや、マヌエル様式の回廊もあり、それはそれは豪華。
こういう所にアズレージョが使われているのを見ると、さすがに、ほうっと感心します。
最上階には、リスボンの町のパノラマがタイルで描かれているものが展示されていました。
このタイルは1700年頃のものなので、1755年の大地震以前の町の様子が分かるという貴重な遺物です。
現代ものの展示もありましたが、あんまりピンときませんでした。
それから、建物の一角は封鎖されていて、その部分では、タイルの修理をしているのかと思われる作業場になっていました。
さて、行きはよいよい帰りは恐い。
こんな果てでタクシーは捕まるのかと不安でしたが、ついていたようで、すぐに捕まりました。
入口付近でたむろしている人々がいましたが、おそらくウーバーを待っていたのでしょう。
前述の通り、ポルトガルでは一般のタクシーがたくさん走っている上、安いので、ウーバーのうまみはありません。