【2011年7月】これはミラノ3と呼ばれる新興開発地の写真です。
ミラノの外れのアッサーゴという地域からさらに車で10分ぐらい行ったところで、ベルルスコーニが開発した新都市。
住居のほかにシティと呼ぶビジネス地区があります。
その中で大きな部分を占めるのがMediolanumという、やはりベルルスコーニ系の銀行です。
この銀行はこの本店のほかに支店がひとつしかなく、顧客とのやりとりは銀行員個人が町中を動き回って行うという仕組み。
銀行組織対個人客ではなく、銀行に所属する個人対個人で人のつながりを大切にするという面で、とてもイタリア的かもしれません。
この本店で働く人たちはそれぞれ、無料の駐車スペースを与えられるだけでなく、従業員用の無料の幼稚園も設置されています。
画期的ですね。
さらに、銀行関係の用事で訪れる人が無料で泊まれるホテルもあります。
こうした福利厚生が手厚い半面、規則もいろいろ厳しく、パフォーマンスが常に問われるシステムなんだそうです。
この銀行の創設者はもともとは奥さんと一緒に一軒一軒の家をまわる保険の販売員だったそうですが、今では米国などで成功話の講演をしてまわっているんだそうです。
ミラノ3の住み心地は良いようで、人気が高く、なかなか売り物件が出ないそうです。
町中、私営のセキュリティー会社が管理しており、安全面でも優れているとのこと。
ちなみに、ミラノ3の前に当然、ミラノ2があるわけですが、たまたま知り合いに2に住んでいる人がいて、その人によると、良いことが多い半面、ある種の牢獄みたいな面もあり、ここで生まれ育った子供を外の世界に放つのに不安があると話していました。
ベルルスコーニは政治的に右側の人ですが、このプロジェクトは何かしら社会主義的なにおいがすると思いました。