【2019年7月】カナダのケベック・シティーからバスに20分ほど乗ってウェンダキという村へ行きました。
ここには原住民のヒューロン族が住んでいます。
村の中に彼らの伝統的な暮らしを再現したOnhoüa Chetek8e という一角があります。
まず、ケベック・シティーの観光案内所で、ここへのシャトルバス(11.50カナダドル≒920円)を予約。
このバスが、ホテルと博物館があるところまで連れて行ってくれますが、そこからOnhoüa Chetek8eまでは自力で歩かなければなりません。
炎天下、かなりの距離です。
後に買った小冊子によると、彼らの収入の大きな部分をツーリズムから得ているとあるのですが、なぜ、村内のシャトルを走らせないのか、そもそも、ケベック・シティーからのバスを無料にしないのかと疑問がふつふつと沸き上がりました。
でも歩いたおかげで、現在、ここの人々が、結構、裕福に暮らしているらしいことがよく分かりました。
ただ、夫が調べたところによると、ヒューロン族の人々が自分たちで事業を起こせるようになったのは、1990年代に入ってからだそうです。
Onhoüa Chetek8eへの入場料は14カナダドルほどでしたが、これにはガイド付きツアーが含まれます。
ここで驚いたのは、レセプションのおばさんが英語を殆ど話さなかったことです。
ケベック州はフランス語圏なのはわかっていましたが、それでも英語は皆が話すのかと思っていました。
英語は通じにくい州だと考えた方が良さそうです。
1時からの英語のツアーに参加しました。
まずは若い男女が太鼓に合わせて、ちょっとしたダンスを披露。
私達のガイドはブライアンというおじさんで、風貌はいかにも原住民の雰囲気を醸し出しています。
英語もちょっと面白く、long time ago のagoを「アグー」と発音していたし、カナダについても「カナダァ」。
時々、「私の英語が分かりますか?」と言っていたし。
フランス語訛とも異なるため、それがまた原住民らしさを強調していたのですが、原住民の言葉は殆ど忘れられていて、最近になって学校で教えているという話でした。
彼によると、ケベック州に原住民の村が57あり、北の方の人はイグルーに住んでいるとのこと。
このウェンダキは、ケベック・シティーに近いので、観光収入を得られるけれど、辺境の村は困窮していると言っていました。
昔の暮らしの説明に入る前に、現在の村の仕組みの話がありました。
現在、ウェンダキには小学校があり、警官が10人いて、パトカーが5台あるそうです。
1730年に建てられた教会もあり、ブライアンもカトリック信者だとのこと。
17世紀、フランス人の宣教師により、徐々に土着の宗教からキリスト教信者に変わっていったそうです。
歴代の村のチーフ(村長)の写真の前では、「昔は、チーフは一生の仕事だったが、今は任期制。昔は男性だけがチーフになったが、今は女性もチーフになる」と言っていました。
1615年前後、ヨーロッパ人と初めて遭遇した時点で、ヒューロン族の人口は25000~30000人いましたが、欧州から持ち込まれた病気のせいで3分の2が死亡したのを初め、英仏の戦争に巻き込まれたこともあり、人口が激減。
現在は3000人ほどで、半分がウェンダキ村に住んでいるのだそうです。