【2015年7月】南イタリアのカラブリア州に行って見るべきものは?と地元出身の人に聞くと、必ず「リアーチェのブロンズ像」を挙げます。
1972年8月、リアーチェの町の沖でダイビングを楽しんでいた人が「人の腕のようなモノがある」と報告したことで見つかった像です。
身長が2メートルほどある二体の闘士の像で、どちらも良い体をしています。
紀元前5世紀の作品とみられていて、紀元前1世紀ごろ、ギリシャからローマに運ばれている最中に遭難したと考えられているようです。
レッジョ・ディ・カラブリアの作りかけの博物館に大切に保管されています。
私達が別の部屋から半開きになっていたドアを通って入ろうとしたら、係の人がすっ飛んできて「あちらへ回って!」。
何かと思ったら、外部から菌が持ち込まれれるのを避けるため、見学者はいったん、3分ほど殺菌室に入った上で、展示室に入れる仕組みになっていました。
それなら、別のドアを半開きにしておくな、という感じですが・・・。
二体のうち、髪がふさふさしている方(Aと呼ばれているようです)がBより数十年古く、歯は銀でできているとか。
Bは片目を失っていて、髭の作りもAよりややおおざっぱです。
ところで、ここにも嘆きのキュレーターがいました。
このブロンズ像が公開された当時は、毎日、一万人を超える人々が列を作っていたものですが、去年の訪問客は年間で20万人にとどまったとか。
ミラノで開催中のエキスポに絡めて、ここまで人が来るよう、航空券を安くするなどのキャンペーンを実施しているものの、宣伝が足りず、ちっとも人が来ないんだそうです。