【2018年12月】スペイン一高い山、テイデ山に登った後、私達のツアーはテネリフェ島の北部に回ってガラチコという町を見下ろせる地点にあるレストランでランチです。
ここは団体客御用達の巨大レストラン。
値段は手ごろですが、内容もそれなりでした。
ここでツアー客8人が一緒にテーブルを囲みました。
内訳は、ロンドン東部のグリニッジに住むカップル、ウェールズ南部に住むカップル、ポーランド人の母子、そして私達です。
グリニッジ夫婦と南ウェールズ夫婦は、テネリフェ島に何度か来たことがある人々で、生活習慣も似ているらしく、すっかり意気投合していました。
冗談を飛ばしあいながら楽しそうにしていたのですが、ある局面で、グリニッジのおじさんが「英国がヨーロッパでなくなるのは非常に残念だ」と発言。
それまで笑っていた南ウェールズ夫婦は、それを聞いて黙り込み、険しい表情になりました。
ブレグジット(英国のEU離脱)を巡って、英国人が真っ二つに分裂していることを如実に示す瞬間でした。
ポーランド人のお母さんの方は、英語をほとんど話さなかったので、会話が難しかったのですが、このポーランド人二人からは、テネリフェ島で売っているアロエ化粧品の口紅が長持ちして良質だ、ということを学びました。
その後、買い求めて重宝しています。
食後はガラチコの町に下りて行きました。
ガイドブックによると、ガラチコは「テネリフェ島の歴史的な町、トップ3」の一つ。
もともとは重要な港町だったそうですが、1706年、テイデ国立公園内の噴火口からの噴火で町の半分が溶岩に埋まったのだとか。
その後、復活したものの、その昔の活況は取り戻せず、半面、大衆旅行者に荒らされることもなく、静かで上品な佇まいを見せています。
たくさんではありませんが、質の良い工芸品を売っている店がいくつかあり、与えられた時間内でちょっと買い物も楽しめました。
そこから次の目的地であるイコド・デ・ロス・ヴィノスへの途中に長めのトンネルがあり、壁に丸い穴が連なるデザイン。
ガイドさんによると「子供連れでここを通る時には必ず、この窓がいくつあるか、当てっこするんですよ」とのこと。
答えは105個だそうです、どうでもいいことですけど。
イコド・デ・ロス・ヴィノスの目玉は、樹齢1000年を超えると言われ、世界一古く、世界一大きいとうたわれている「ドラゴン・ツリー」です。
日本語では、リュウケツジュと呼ばれているらしいです。
この大木を中心に有料の公園ができていますが、私達はそこに入らず、サン・マルコス広場から眺めました。
ドラゴン・ツリーはここにだけあるものではなく、島のあちらこちらで見られます。
イコド・デ・ロス・ヴィノス付近は肥沃な田園地帯で、バナナ、ブドウ、その他の果物の畑が広がっているとのこと。
特にバナナ園の規模は巨大で、スペイン本土や欧州各国に輸出しているそうですが、バナナ栽培の歴史は案外、浅く、19世紀末に英国人が持ち込んだものなのだとガイドさんが言っていました。